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2008/11/19 (Wed) タイトルは、まだ未定。一応最後かと。

「やぁ、そこいく紳士様。少しの間私とお話でもいかがですか?」

不意に聞こえる懐かしい声。大学に入ってからこの数年間聞けていなかった声。

「久々でまた随分と丁寧な挨拶だな。お嬢様」

「君こそ、相も変わらずみたいだね。まさに世界の流れは変えられないと思う人それだ」

「いきなりなんだと云いたいところだが、まさにそう思っているから困るな」

背中越しに聞こえるあいつの声。未だに変わっていない。
いやそれもそうか。声が変わってしまうとかいうおもしろおかしな成長期はお互いに過ぎたわけだし。

「しかし君はいつまで女性に背を向けているのかな?失礼だとは思わないかい?」

「普通の女性ならそうだろうが、お前ならいいかなと思ったわけだが」

「それは酷いな。僕だって普通の女の子だと思うのだけれどね」

「そんな喋り方する女性はあまり多いとは云えないだろう。俺は好きだが」

一人称が私から僕になってやがる。変わってる度増し増しだな。
もともと変わった子が好きになると自分でもなんとなく気づいていた。
そして出会ったのがこいつなわけだ。そりゃ惚れちまうわけですよ。
じゃりっと乾いた音を響かせながら一歩一歩距離が近くなるのがわかる。
俺はまだ振り向いていない。あちらからこちらに向かってきている構図だ。

「さぁ、これでよく見えるだろう」

「なにがだ?」

「僕がさ」

こいつも相も変わらずのご様子じゃないか。似たもの同士とはこのことか?
しかし、ここまで云われて振り向かないんじゃ男が廃る。拝んでやろうじゃあーりませんか。
後ろ前を逆転させる。変わったアクションもなしに普通に。そしてあいつを。見た。

「・・・かわってねー」

「だろうね。僕は自分で自分が変化したとは思っていなし、周りからも変わらないねとよく云われるよ。君は僕に変わっていてほしかったのかな?」

「振り向いたら、とんでもない美少女がそこにいた」

「それを云いたかったと?」

「いや、正直なんでもいいかなと。お前はお前みたいで安心したよ」

「その云いようだと、君は君ではなくなってしまったのかい?」

「そういうことではない。勘違いさせる返答で悪かったな」

「なにわかっているさ。ただ久々に君をからかってみたくなってね」

「いま確定した。お前全然変わってない」

「なら僕の返事も確定さ。よく云われる」

そう云ってあいつは笑う。笑い方も高校のときから変わっていない。
それを見て俺も少し笑う。俺の笑い方はどうだろうか?変わっていないだろうか?

「変わってないさ」

どうやらこいつは人の心を本格的に読めるようになったみたいだ。
たちの悪さは倍増ってところだな。
さて、会えたことは嬉しく思う。だが気になるわけだ。

「何故ここにきたのか、それが気になるんだね」

「そうですけど、どうしてそこまで人の心を見透かせるのかも教えてほしいところです」

「人付き合いの拡大が習得の要だよ」

「俺にはできそうもないな、社交的なのは他の男に任せるとするよ」

「君も変わらないね、そんな君も好きだけどね」

「そいつはありがたい褒め言葉だ」

嬉しいな、とは思うがなぜかドキドキしないのだが。高校生のときは多分心臓バクバクだろうけど。
なんだかこう、俺も歳をとったんだろうかな。嬉しくも悲しくもない。
嬉しさ0ってわけじゃないぞ。あくまで高校のときと比べての話だ。
前はあいつから本題を、と云ってきたからな。今回は俺のほうから云ってみるか。

「それで、どうして今日はここに?」

「君がいるかなと思ってね」

「えらくマジですか」

「えらくマジですよ」

「いるかいないかもわからないのにか」

「いる気はしてたけどね。案の定君に会えたし」

「お前にしては無計画だな。昔から"計画はたてるが吉"とか云ってなかったか?」

「たまには計画無しに、行き当たりばったりでというのもいいかなと思ったのさ」

「俺みたいにか」

「そう、君みたいに」

確かに俺に会いに来たってのは嘘じゃないみたいだな。
だがまだ全部さらけ出して話してるわけじゃない感じがある。
つまり、そこに俺が気づくかどうか期待しているってことか。
なら裁いてしんぜよう。

「会いに来てくれたってのはひしひしと伝わった。痛いくらいに」

「そこまで必死に伝えた覚えはないけれどね」

「しかしだ、ただ会いにきただけじゃないだろう」

「ふむ、なかなか鋭くなったね」

「俺ってそんなに昔から鈍かったか?」

「ああ、なんで今日はチョコもらえるんだろ。みんなもお前も作りすぎたのか?と云ったときはさすがに驚きを隠せなかったよ」

「あれはただの度忘れだ。その日がバレンタインデーなんて夢にも思わなかっただけだ。もし知っていたのなら普通にドキドキしていたとも」

「嘘ばかり。君はそんなにピュアの青年はではなかったと僕は思うが」

「いやいや事実さ」

「胡散臭いとはこのことだろうね」

話が前に進まない。というよりこいつがなかなか進ませてくれない。
心の準備でもしてるのか?まさかあのときの答え合わせでもする気か?
ハイスクールのことだから、お互い胸にしまっておけばいいと思うが。

「・・・よし。失礼した」

「いきなりだな」

「なかなか心の準備に時間がかかってね」

心の準備って、おいおい。

「一つ、君とやっていないことがあってね」

「なんだ、子作りかなんかか?」

「・・・君も変わったところもあるみたいだ。デリカシーが欠如している」

「ただの冗談だ。忘れて話を続けてくれ」

「まったく・・・、やってないこと。それは」

「それは?」

「答え合わせ」

・・・あれ?もしかして俺もエスパーになっちゃったかもなのか?

「答え合わせ、ってのは高校のときの俺の告白のか?」

「嫌に冷静だね。昔の君ならテンパってると思うのだが」

「時の流れの為せるわざだろう」

「まあそれはともかく、あんな適当な答え方では君に失礼かなと」

「いやそんなことは」

「あの、最後まで、聞いてくれないか」

なんですかその喋り方は、その目は。可愛いじゃないか。

「了解した」

「その、だから今になってなんだけど・・・」
「答えようかなと思ってね」
「でもいきなり君の告白から答えてしまうとつまらないし、私も困るから」
「とりあえずその前の問いから答えていくね」

サンタクロースと、なんだっけ?ブロッケン高田だったらか?

「もし君が殺人鬼だったら、逃げると云ったけど」
「それは君に殺されたくなかったから、君に罪なんて似合わないと思ったし」
「一番の理由は、死んでしまったら君と一緒にいれないのが一番嫌だった」

「もし君がサンタクロースだったら、プレゼントをもらうと云ったけど」
「それはプレゼントをもらえたら嬉しいだろうから、サンタっていうのはそういうものだと思ったし」
「一番の理由は、君に一番ほしいものをプレゼントしてもらえるから」

ほう。

「そして、もし君が私の事を好きだったら、小一時間説教すると云ったけど」
「それはなんだか気恥ずかしかったから、事実ちゃんと聞いてほしいこともあったし」
「一番の理由は、私のほうが君のことを好きだと伝えたいと思ったから」

「これが・・・私の答え」

これはまた。

「数年越しの大告白返しだな」

「改めて云われると、照れるよ」

「安心しろ、俺も照れまくりだからな」

「そうは見えないな、なんだかずるいよ」

「喋り方と一人称、変わってるぞ」

「そんなこと気にしてられないくらい、照れてるの」

「なにこの可愛い生物」

「うるさい」

ほのぼのしているわけだ。なぜか昔好きだった女性に告白されたわけだが。
なぜこうも俺は落ちついているのだろうか?自分でも驚きだ。

「私だって驚きだよ。もう少し君が戸惑ってくれば冷静を保てたのに」

「そいつはすまん。だが心が読めてるってことは少しは落ち着いたみたいだな」

「さっきよりはね。まだドキドキしてるけど」

「この可愛い生き物持って帰っていいですか」

「バカ、別にいいけど」

「ツンデレですか」

「・・・バカ」

それからこのやりとりを十回くらいして、さすがに怒ったのかみぞおちに上段打ちを喰らってふらふらな俺がいるわけだ。

「いやー楽しかった」

「私は、後半照れっぱなしだったけど」

「さて、別れは惜しいがそろそろお互い帰るとするか」

「そうだね。疲れたし」

「俺は元気いっぱいだ」

「みぞおちも元気そうだね」

「わかったわかった、勘弁してくれ」

「もう」

「じゃ本当に帰るか」

「わかった」

「じゃあな」

「あ・・・」

「あーそうだ」
「また明日な」

「え、あ、」

「どうした?ああ明日はだめか。なら近いうちに会おう」

「・・・いや、大丈夫。明日、会おう」

「?なんでそんなに笑顔なんだ?」

「なんでもないさ。じゃあね」

「ん、よくわからないがまたな」

「"また"、ね」


「また、か。嬉しい限りだね」
「そして、相変わらず鈍いみたいだ」

後になって気づいた事がある。話をしているときは蝉は鳴いていなかったのだが、話を終えて二人が公園から出た直後からまた鳴き出していたようなのだ。
まるで、凍り付いていた時間が動き出したかのように。

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自個偽無、候。
書いたり書いたりしている流ぬこです。
ピクシブなんかでも同じく流ぬこで書いています。
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