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年越って素晴らしい。
そう思うようになったのはいつだったか…。
ああ、多分昨日からだ。人間とは唐突にものを考える生物である。

「唐突に考える場合は、大半がくだらない考え事だけどね」

「くだらないこと、大いに結構じゃないか」

「無駄を重ねて君はなにをするか、興味深いね」

「重ねてるなんて一言も云ってないがな」

「僕は無駄を重ねて自分を作っていく、かな?」

「無駄よ無駄よも自分のうち、そんなところか」

「いやよいやよも好きのうち、インスパイアかはたまた盗用か」

「盗用で」

「大胆だね」

大胆も何もあったものじゃないだろう。れっきとした盗用でしかないんだから。
それにしても不思議なものだ。なにが不思議って。
なにが不思議なのかもわからないのが一番の不思議だ。
ただ気持ちが不思議なだけであるのだ、愉快愉快。

「愉快なのかい?それはよかったね」

「それは愉快さ、久々にいい年越しを送れそうだからな」

「へぇ?去年はよくなかったのかい?」

「そうじゃないさ」

「じゃなぜ今年は?」

こいつも大概天然だな。こいつに好意をもってる何人かの男はやきもきしてそうなものだ。

「わからないか?」

「んー、そうだな。いい小説を多数発見したとか、自ら小説を書いて友達に褒められたとか」

「前者は肯定、後者は否定」

「君の小説か、一度読んでみたいものだね」

「そうか」

「しかしわからないな。去年ではなく今年、か。ちなみに一昨年は?」

「去年も一昨年もそのまた前の年も同列だ」

「今年が特別なんだね」

「そうだ、今年が最上級さ」

「んー…、ダメ、ギブアップ」

まさか最後までわからないとは。生殺し世界王者になれそうな奴だ。
俺くらい適当じゃないと友達になるのさえ苦労しそうだな。

「じゃ教えてしんぜよう」

「ありがたきかな」

「お前と会った、お前に言われた、お前と話してる、それくらいか」

「…そう」

「ああ、気持ち悪かったか。それはすまな」

「違う!」

おおうっ、強い否定のお言葉。つい仰け反っちゃったぜ。
逆にこっちが照れてしまいそうだ。

「声、大きくないか?」

「えっ、その、ね。これはあれがこれのそうなって…」

「どうどう」

「…どうどう」

「はい落ち着いた。そろそろこの店の名物見世物みたいになるぞ」

「うう、すまない。気をつけるよ」

「俺は別にいいけどな」

「でもあのその、僕は君のことを気持ち悪いとかそんな風にっ、思ったことはなくて。…ふぅ」

一息ついてから、また喋り始める。

「正確に云えば、気持ち悪いに類似する感情をもったことはある。だけどそれも君のよさだと思っている。それなのに君にあんな風に云われるのは我慢ならなかったんだ」

「それはすまなかった。反応に間があったから勘違いした」

「あれは、照れてて。喋るというか、呻くしかできなかった」

高校時代からこんな風なのかね。だとしたら大した役者だ。
高校時代は思いもしなかっただろう。恐ろしい子だ。
元がこんなだから、もっと自分をさらけ出していけばもてるだろうに。

「君に言われたから照れてるの」

「へぇー」

「なにそれ、興味なさそう」

「いやむしろお前がもっと自分をさらけ出していけば俺なんかよりももっといい男を」

「違う!バカ!ないわよ!そんなこと!」

あーなんて俺はバカなことを。云いたい事を飲み込んでればこんなことにはならなかったろうに。
この後、他の客に注目され店側に注意されさらにこいつに説教されたのは云うまでもない。
2008.12.16 Tue l 自作小説 l top ▲
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