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「久々でなによりだ」

「僕たちはほぼ毎日あってるけどね」

桜も散ってしまい、いまや絨毯のように敷き詰められ、果てには汚れていく。
その様が悲しいが、仕方のないことだなと思い始めた今日この頃。
いつものように同じ喫茶店、同じ二人でいるわけだ。
新年迎えてから四ヶ月と三週間、なにか進展があるわけでもない。
キスなぞしていないし、手すら…あああの時繋いだな。
ともかくキスはしていない。別段したいとも思わないのだが。

「僕は違うけどね」

oh!いきなりの攻撃、珍しい爆撃をやってくれるじゃないか。
狼狽したのは自分自身のほうだとは予想だにしなかったな。
今日のこの子は一味も二味も違う。

「春だからねえ」

「季節でうわつくような人間じゃない、って昔のお前に聞かされた気がするんだが」

これでどうだ。

「昔だからねえ」

いや、今日はやけに手ごわいな。
もう迎撃手段もないんだが、さてどうしたもんか。

「まあ季節でうわつくようなお前も可愛いと思うけど」

「それはなりよりだねえ」

…こいつさては。

「最近のキャベツは安いよな」

「そうだねえ」

「お前のお父さんはゲイらしい」

「そうだねえ」

「この喫茶店がつぶれるってよ」(つぶれないさ、多分)

「そうだねえ」

「お前、眠いんだろ」

「そうだねえ」

そう言い残しそのまま顔を鎮めた。俺の腕に。
俺の腕を勝手に使うんじゃない涎を垂らすんじゃない。
もっとも言いたいことはそんな可愛い顔で寝るんじゃない。理性が飛ぶぞ。

「…くぅぅ」

寝息だけで核兵器の威力だ。これ以上は危険極まりない。
そういえばこいつの大学は忙しいと言ってたな。
俺の何倍も眠いんだろうな。

「…くぅぅ」

「まあ、たまにはいいか」
「おつかれさん、おやすみ」

「くぅぅ…くぅぅ…」

このあとこいつが起きた後にしこたま怒られたのはこの際投げ捨ててしまおう。
恥ずかしいならちゃんと寝ろってことだな、はい一日終わり。
2009.04.22 Wed l 自作小説 l top ▲
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