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小説書いたんですが、長くなったの急遽追記。
ヒャッホウ!
「こんな時間までなにしてんだアンタは」

まったく、一回更新してから小説投稿するのは見にくくなるからやめろとあれほど。
言ってわかるようなやつじゃないか。

「どうでもいいか。俺には関係ない」

自分で言ってて中二みたいだな。まっ、本当に関係ないから仕方ない。

「さて、ついたな」

今日、あいつはいない。ほとんど毎日あってるから、いないとなると不思議な感じだ。
でも、こんなとこに連れてくるのも、なんだしな。

「よっ、久々」

そう喋りかける。返事はない。
まるで独り言みたいになっちまった。

「返事、できないからな。しゃーないか、とりあえずこれ。」

そう言って花と途中で買ってきた饅頭を渡す。
まあ、当然食わせるために買ってきたんだが食っちゃくれない。
食べれないなんて不幸な人生だな。

「不幸なわけないか、あいやすまん。」

返事がなくとも喋り続ける。
ないとわかっていても別にいい。
俺がそうしたいからそうしてるだけなんだ。

「ねーねー」

「ん?」

振り返ると小さな子ともがいた。
幼稚園くらいだろうか。まだ、なんも知らない人間だ。
俺にもこんな時があったんだろうな。

「どうして石に話しかけてるの?」

「ああ、そっか。そういうことね」

確かに、はたから見れば石に話しかけてる怪しい野郎だもんな。
そりゃ気になるか。

「どうしてー?」

「これな、俺の親父なんだ」

「親父?」

最近の子供は親父って言ってもわからんのか。
なんとなくジェネレーションギャップ感じるな。
…俺と同世代でも親父って言わないか。

「お父さん、父さん、パパ、ファザー、わかるか?」

「パパ…?この石がパパなの?」

お父さんくらいかと思ったが、最近はパパが主流なのかな。

「あーそうだなー」

なんと言ったものか。
聞かれたことなかったからな、やっぱ子供ってすごいわー。

「パパなの?」

「俺の親父、パパはこの下で寝てるんだ」

「この石の下で寝てるの?」

「そう」

「どうしてお家に帰って寝ないの?」

死んでるから、とか言っても死ぬってなに?とか言われそうだな。
適当に、あたらずも遠からず、それらしいことを言っておこう。

「俺の、パパはもうお家はいらないんだ」

「いらない…どうして?あんなに暖かいのに」

「家だけじゃない、ご飯も遊びもなーんにもいらないんだ」

「そうなの?」

「ああ、もういらないんだ」

「どうしていらないの?」

いつからかな、俺がどうして?とか言わなくなったの。
面倒くさいと思った時からだっけ。

「いっぱい、がんばったからかな」

「なにを?」

「んーお仕事とか、家族と遊んだりとか、いっぱいいっぱいがんばったんだ」

「そうなんだ」

「それだけがんばったから、もういらないんだ」

「じゃあ、僕もお兄ちゃんも、お兄ちゃんのパパみたいにがんばったらお家もご飯も遊びもいらなくなるの?」

全部が新鮮なんだろうな。見るもの聞くものが新鮮で疑問がいっぱい。
だから、質問とかいっぱいするんだろうな。したくなるんだろうな。

「ああ、そのうちな」

「どれくらいがんばるの?」

「自分でがんばって、体がもうだめって思うまでかな」

「へぇー、お兄ちゃん物知りなんだね!」

「まあね」

そう言って親指を突き上げる。
このジェスチャー覚えたのいつだっけ?

「なに?その手」

「ああ、これか」

「…こう?」

「そうそう、うまいうまい」

「…グ~」

グ~だって。俺が言ったらキモいとか言われるんだろうな。
そういう風に思うのも、子供じゃなくなったってことなのかね。

「グー」

「グ~」

「イエイ」

「…いえい!」

「そうそう、そんな感じで使うの」

「いえい!って感じ?」

「そうそう、イエイ」

「いえい!」

何度も何度も親指を突き上げて掛け声を言う。
何度も何度も、バカらしくも、ずっと続ける。
子供ってすごいわ。ほんと。

「そういや君、パパとかママはいないの?」

「いるよー、ちょっとそこらで遊んできなさいってママに言われたの」

最近の親にしちゃ珍しい。
そりゃもう過保護なのが流行なのかと思っていたんだけどな。

「そっか、じゃそろそろ帰ったほうがいいんじゃないか?」

「うん、そうする」

「…帰ったら、元気にただいまって言うんだぞ」

「?うん、わかった」

「よし、それじゃー帰りな」

「うん!」

それを最後に俺に背後を向けてそのまま走り出す。
ちょっとのことでも全力で、今だって全速力で走ってく。
いっつも手を抜く俺とは大違いだ。

「お兄ちゃん!」

振り返って、そう叫ばれる。

「いえい!」

親指を突き上げる。
すぐにでも試したくなるのも、子供だよな。

「おう、イエイ」

そう言って親指を突き上げて返してやると笑ってそのまま走っていった。
もう会うこともないんだろうなー。

「あー疲れた、子供って元気だな」

よく、子供を見てると元気になるとか言うけど、逆に吸われた気がする。
でもあの子は格段に元気なんじゃないかな、同世代と比べても。

「…ただいまかー俺も最後に聞きたかったな」

親父、ただいまもなにも言わずに逝ったからな。
いってきますって言ったら普通帰ってくるだろう常考。
でも、俺以上に親父のほうが言いたかったのかもな。

「そういや、言ってないか」

気づいたら、言ってない。
あの子供に感謝だな。

「親父、おかえり」

…空気読んで、ただいまとか幻聴で聞こえたり急に風が吹いたりするだろ。
まったく、締まらないね。気持ちいいくらいに。

「それじゃ、またくるから。幸せな俺を見せ付けにな。」

それだけ言い残して、親父と別れる。
もうちょいいてもいいんだが、俺にも俺の人生があるし。
親父の人生を俺が悔やんでも意味ないし、親父はそういうの嫌いだし。

「さーって、帰ろう」

帰ったらなにしよう?
…まあ帰ればなんかしらあるだろう。
闇雲上等!それで人生生きてやろう。

俺はもう子供じゃないから、子供のいい部分はない。
俺は立派な人間じゃないから、立派な部分はない。
純粋にも、計画的にも生きていけない。
でもいいや。
まったり、ゆったり、だらだらと堕落しきった人生でもいい。
それが俺、ってことなんだろうな。
そう思う俺がいて、それでもいいと肯定できる自分がいて。
それを容認してくれる人がいて、逆に認めてくれない人もいて。
それでもなんとかやっていける、だからこそそれが俺の人生って言える。
人は他人から立派だと思われる人になりたいのかもしれないけど俺は違う。
俺は、特定少数の人間に認められて、その認められてる自分を自分が好きならそれでいい。それがいい。
きっと俺ってそんな感じ。

「なんてな、俺カッコイイ!」

おどけて誤魔化すのもまた俺です
2009.08.03 Mon l 自作小説 l top ▲
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