--/--/-- (--) スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

スポンサー広告 |


2009/12/28 (Mon) 似たもの同士 続

「な、んで…」
戦慄を通り越した、疑問が僕を支配した。
なぜ首があんなに折れ曲がっているのにこの女生徒は生きているのだろう。
僕はこのまま女生徒に殺されるのだろうか。映画のように。
こんなトラウマだらけのところで死ぬと思うと悔いが残りそうだ。
「これが苦しいの?」
この問いに答えてしまったら殺されてしまうのだろうか。
結局、なんと答えてもだめなのだろうか。
「これは苦しい?」
無言の脅迫、そう感じた。これ以上無言でいることはできなかった。
「く、苦しいどころか、死んでもおかしくないと、思うよ」
思っていたことを口にした。そうであってほしかったことを口にした。
これで僕は殺されしまうのだろうか。
「そう」
…。
それだけだった。後に残ったのは沈黙だった。
僕は、この場から立ち去ってもいいのかもしれない。今ならそれも許される気がしたから歩き出そうとした。
でもやっぱり無駄だった。いつまでも女生徒は服の裾を離そうとしてくれない。
殺されはしないが、解放もされない。なんとも奇妙な状態だ。
「私、死にたいのに死ねないの」
沈黙を破ったのは女生徒だった。破った言葉の意味は理解できないが。
「苦しめば死ねるような気がしたけど、苦しめない、だから死ねない。こんなに死にたくて苦しいのに死ねない」
段々と女生徒の発している言葉がなにかの魔法なのではないかと思えてきた。
それくらい理解不能なのだから、そう思うのは無理ないと思う。
でも確かに死ねないということに関しては嘘じゃないのかも知れない。首があらぬ方向に曲がっていて生きている人間はきっといないはずだから。
「だから、手伝って欲しい」
なにを、と一瞬尋ねようとしてその考え一蹴した。
それはどこまでも残虐で、どこまでも恐ろしくて、どこまでも救いようのない手伝いだと思うから。
「私が」
耳をふさごうとしたけど、手が動かなかった。どうしてかと手元を見てみればいつの間にか女生徒の手が僕の手に重ねられていた。
その腕は不気味なほどに透き通って見えた。床が見えるほどに。実際に見えているけど、恐らく精神状態が不安定すぎてまとまな視覚情報を得られないのだろう。
女生徒の口は止まるはずもなく、僕はこう告げられた。
「私が、死ぬのを手伝って」

自作小説 |


| TOP |

プロフィール

流ぬこ

Author:流ぬこ
自個偽無、候。
書いたり書いたりしている流ぬこです。
ピクシブなんかでも同じく流ぬこで書いています。
はじめの一歩を見るとオズマ戦でも小橋戦でもどの戦いでも泣けます。はい。

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

カテゴリー

ブログ内検索

RSSフィード

リンク

このブログをリンクに追加する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。