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是非壁に全力疾走してみてください、きっと星が見えますよ。
ちなみに 蟻 は

パーッ パーッ パッ パーッ パーッ 
パーッ パーッ パッ

です。
どうしてもわからないひとは追記をドラッグしてみてください。
なぜそうなるか?
知りたい人はトンツーで検索してみてください。
以下追記ss。
それはまだまだ僕が小さかった頃のお話。
昔の僕はそれはもう自由奔放にいろんなところへ行った。
自分の行ける限りにどこまでも。
よく両親に怒られたものだけどそれでもやめようとはしなかった。
ある日、僕はすっごく遠くまできてしまった。
周りを見渡して知っているものは何もなくてとっても怖かったのを覚えている。
あの頃の僕にはその風景がとっても怖かった。どこまでも、その日常の一コマが怖かった。
帰ろうとしたけど自由気ままにだけあってどうやって帰ればいいか、どこからきたのか、どっちにいけばいいのかさっぱり皆目検討も付かずだった。
泣きべそをたれながら永延と歩いている一つの大きな公園が見えた。
もともと公園が好きな僕はすぐさま公園へ、疲れていたことから休みたいって気持ちもあったんだろうけど、入っていった。
でもその公園には滑り台もブランコも、砂場もなくて、ただただ広いスペースがそこにあっただけだった。
本当に広くて、奥にいくとそこはみるみる草原になっていって子供の頃の僕にとってその光景はなんとなく面白いものに見えて、どんどん奥へ進んでいった。
夢中で進んで行って僕はそこで宝物を見つけた。
バスがあった。
そこには紛れもないバスがあったんだ。
バスがこんなところにあることと、そのバスがこんなにも近くにあることで僕の不安や疲れは一気に吹き飛んでしまった。僕はそのバスに走っていった。
バスを間近で見たのは初めてじゃなかったけど無人で、誰一人乗っていない古錆びたバスは僕の好奇心をいっぱいにするには十分だった。
すぐさま僕はバスに乗り込んだ。
当然、運転手はいなくて、お客さんもいなくて、このバスは僕だけだった。
まじまじと運転席を見た僕はそれだけじゃ納まらなくて運転席に座った。
案外フカフカしているものだって思って数秒跳ねて遊んだり、手でバフバフしてみたり。
その次はきっとメインイベントでごちゃごちゃある運転席のボタンなんかをめちゃくちゃに押したり引いたり動かしたりしたんだ。
動くわけじゃなかったけど僕はそれがものすごく楽しくて、大人になったら鼻で笑うんだろうね、やめられずにいた。
そんなことをずっとずっとずっとやっていると子供だから眠くなったみたいで。
僕はいつの間にか寝てしまったみたい。それでバスとはお別れになったんだ。

起きたらそこはバスの中じゃなかった。
よく見る天井で、周りを見渡せばよく知っている光景で。
僕の部屋だった。
あれ、なんで?ってすっごく不思議に思ってるところに母さんがやってきたんだ。
それですっごい怒られたっけ。
どこに行ってたのとか、心配したでしょうとか、ものすごく怒られた。
僕は何が起こっているのかわからないでずっとぼーっとしてたけど突然母さんが僕を抱きしめたんだ。
それが温かくて、めいっぱいに愛されているって思って、子供ながらに心配させてごめんなさいって思って、号泣したんだ。氷付けの心は母の愛で溶かされた、なんてね。
その後話を聞いてみたらどうやら僕がいなくなって母さんや父さんはすぐに探したらしい。
父さんはかなり遠くまで、母さんは近くを徹底的に探したんだって。
あっ、父さんには一発げんこつされたんだ。痛かったな~、でもその後泣きながら母さんと同じように抱きしめてもらったよ。父さんに抱きしめてもらうなんてそうそうなかったから、それも嬉しかった。
それで話を戻すと、結局見つからなかったんだって。
もうこれは警察に頼むしかないって電話するとき、すっごいクラクションの音が聞こえたんだって。
うちの家の通りはすっごく細くて、車なんか入れないから不思議に思って外にでたら僕が倒れてたんだって。
もしかしたら死んでるのかもって慌てて駆けつけたらただ寝てるだけで、二人とも心底安心してお互いに泣いたそうな。
ようやく平静を取り戻して辺りを見渡したけどやっぱり車の姿はないし、そもそもその時間帯は深夜だったみたい。
深夜は人っ子一人いない、もちろん車も無いってのがうちの周りの特徴だから、二人ともちょっと怖くなったらしい。
子供心にそんな話を聞いて、僕はあっけらかんとこう言ったよ。

きっとあのバスが僕をここまで乗せてくれたんだ!

ってね。両親にはバスに乗せてもらったの?って言われて、僕はあの時の公園でのことを話したんだ。
それを聞いて両親は微笑んでた。そっか、それじゃ乗せてくれたお礼にいつかその公園に行こうねって言ってくれてそれが嬉しくなって僕は元気に返事をして、そのまま眠りについたんだ。
でもいつからか両親はそれを忘れて、僕だってどんどんその記憶も薄れていって大人になったんだ。
結局お礼は言えてなくてね。
ある日会社終わり、帰り道を歩いていたら前に泣いている子供を見かけたんだ。
迷子かなって思ってその瞬間にこのことを思い出したんだよ。そういえば僕は昔バスに助けられたんだっけって。
大人になってからそれを会社の同僚や上司に話すのは嫌だったし、そもそも忘れてなかったらいままで誰にもこのことを話していない。
一人じゃ心細いだろうから声だけでもかけようって思ってそうしようとしたら。
その子の目が光り輝いたんだ。その目はまるで宝物を見つけたように。
釣られて僕もその方向を見てみたけどなんにもなかった。それで迷子の子に目をやったら。
その子が急に行き止まりの壁に全力疾走で走り出して、そして壁の中に消えたんだ。
持っていた鞄を落としたよ。なにせ目の前で信じがたいことが起きたんだから。
僕は急いでその壁に走って触ってみた。でもそれは壁で、いや壁なんだからそんなの当たり前なんだけどね。
でも確かに僕はこの目であの子がここに入っていくシーンを見たんだ。
全力疾走で。
それで僕は何を思ったか、このときはわからなかったけどもしかしたら、僕も全力疾走してみようって思ったんだ。
壁に全力疾走なんて下手すれば大怪我、相当勇気を出したよ。
どれくらいって、初めて注射を受けたときくらいに。初めて歯医者にいったくらいに。
全力疾走だから手抜きなんか許されない、だから僕はそこに万の勇気、ありったけの勇気をつぎ込んで壁に全力疾走した。はたからみたら危険人物だけどね。
そしたらどうなったと思う?
一度、一度だけ見た光景が僕の視界に、脳に広がったんだよ。
それはひどく懐かしくてちょっと怖さもあった。トラウマってやつかな。
でもそれ以上に僕はわくわくしたんだ。大人になってから味わうことの無い純粋なわくわく。
僕はゆっくりゆっくりと、でも実は早足だったかも、奥へ進んでいった。
そしたら奥には何があったと思う?
バスさ。
あの日とおんなじ、どこまでも変わらないあのまんまのバス。
違いって言えば僕が大人になったことともう一人小さなお客さんがいること。
その子も僕同様に運転席で遊んでいたよ。やっぱりあそこはひきつける何かがあるんだろうね。
せっかくだから僕もバスに乗り込んでみたんだ、そしたら運転席で遊んでた子と目が合ってこう言われたんだ。

運転手さんごめんなさい!

って。なんだかそれがたまらなくておかしくてさ、大声で笑っちゃったんだよね。あっ、別にその子がバカだなーとか思って笑ったんじゃないからね。
大笑いしている間その子にはきっとおびえた目で見られてたんだろうね、僕だったらそうなるよ。
それでひとしきり笑い終えて、でも僕は運転手じゃないよって言うのもつまらないからさ、こう言ったんだ。

よーし、じゃ一緒に運転しようか。

ってね。その子最初はぽかーんとしてたけど途端に大喜びだよ。
それから僕はその子と一緒に運転をしたんだ。あんまり車に詳しくないけど、知ってる知識フル稼働させていろいろやったっけ。
でもそのうちにねその子寝ちゃったんだ。僕の膝の上でぐーすか寝始めて涎までたらされたよ。
なんだかそれを見ているうちに僕も眠くなってきてそのまま寝てしまったみたい。
でも意識が落ちる寸前に聞いたんだ、あのぷーっていうクラクションの音をさ。
あと光を見たっけ…。随分と何度も明滅してたな、それに長いときと短いときがあったっけ…。

パーッ パーッ パッ パーッ パーッ 
パーッ パーッ パッ            
パッ パーッ パッ パッ パッ パッ   
パッ パッ パーッ パッ パッ      
パッ パッ パーッ             

次に起きたのはまた僕の部屋だった。
一人暮らししているほうじゃなくて、実家の昔の僕の部屋だった。
そんで起き上がって母さんのところにいったら、母さんが事の顛末を話してくれた。
夜寝ようとしたら聞いたことある大音量のクラクションが聞こえたから、外に出てみたらあんたが寝ていた。
そういうことらしい、まったく大の大人になって何をしてるんだかって怒られたよ。
僕は思い切ってバスの話しをしたんだ、今日もそのバスに乗って帰ってきたんだ、って。
そしたら母さんがこう言うんだ。

それならあんたを乗せてくれたバスに感謝しなきゃね。あの日と同じであんた、幸せそうに寝てたから。

夢じゃなかったんだ、そう思ってなんだかぽろっと涙がこぼれたんだ。
きっとあのバスは、迷子を送り届けるバスなんだ。
きっとあのバスの停留所は迷子の家なんだ。
それはなんとも、なんとも素敵なことに思えた。
いつかまたあのバスに乗りたいな。だから僕は忘れない。
このバスのことを、大人になってバカみたいに壁に向かって全力疾走した気持ちを。
そして。
この日、バスで遊んだことの気持ちを。
あの日、バスで遊んだときの気持ちを。
2010.05.28 Fri l 自作小説 l COM(0) l top ▲

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