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自分の中でこれを越えるライトノベルってないんだろうな。
そう思える作品、「ダブルブリッド」
「やあ太一朗君、ごきげんに寒そうな朝だね」

「自分はこれしきでは、は、はっくしょん!」

「いやはや、説得力があるね」

「いい今のは朝起きぬけ特有の生理現象です!」

「まあ何でも良いけどさ、ここで止まったから風邪引きましたーとか言わないでね。私なんて毎日ここでも風邪引いてないんだからさ」

「…すいません」

「謝ることじゃないでしょうに、私は太一朗君が止まってくれて楽しかったけど」

「まさか終電がなくなるまで天下統一に夢中になるとは…」

「昔の君なら自分で自分をぶん殴ってでもやめさせそうなもの、…変わったね」

「そうでしょうか?自分ではいまいちわかりません」

「私には変わったように見えるよ、うん」

「…変わっていたとしたら」

「ん?」

「もし自分が変わっていたとしたら、優樹にとっていい方向に変わっていたいものです」

「…」

「…」

「ぷっ、くくく」

「わ、笑わないでください!」

「あははは、ごめんごめん。君の口からそんな言葉が出るとは思わなくてね」

「はあ、今更ながら恥ずかしくなってきました」

「普通は逆じゃない?私が恥ずかしくなる側じゃないのかな?」

「ならそんなにニヤニヤしていないで少しは顔を赤くしてほしいものです」

「お望みとあらば、ほら」

「それ顔に血を多く流してるだけでしょう、意図的に」

「あら、ばれちゃったか」

「はあ」

「ため息ばっかりついてると幸せが逃げちゃうよ。ほらほら天下統一の続きでもやろうじゃないか」

「い、いきなりくっつかないでください!」

「私だって寒いんだよ」

「そ、れなら仕方ないですね…ってこのままやるんですか?」

「嫌なら離れるけど?」

「…わざと言ってますよね?」

「はて、何のことかな」

「もういいです、今度こそ優樹さんには負けませんからね」

「あははは」

私の不安を彼は掻き消してくれる。きっと意図してやったことではないのだろうけど。
もしかしたら彼は私と共に歩んでくれるかもしれない。
私は彼と歩めるかもしれない。
そう思えば思うほどまた不安が広がっていく。
でも今はそんな不安も忘れて、彼と同じ時間を共有していたい。
そう思っているうちにくるだろうか。
しわがれて声もかすれがすれの彼と、まったく同じ姿かたちの私が寄り添いあう姿は。
思えば切なく悲しくなるけれどそれも今は掻き消してもらおう。
真面目で血の気が多くて不器用な"友人"、山崎太一朗に。
2010.10.24 Sun l 自作小説 l COM(0) l top ▲

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