上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--.--.-- -- l スポンサー広告 l top ▲
こんなものを書くつもりではなかったのですが…。
過激な表現がいくつかあります。グロ表現も多少あります。道徳的にも反しています。
それらが苦手な方はお読みにならないようにお願いいたします。
「慣れ狂った日常」
銃を手に取る。それが非日常だったのはいつのことだろう。今ではそれが、それだけが世界の断りであるかのようにさえ感じられる。
最初はその反動に驚き、放たれてしまった弾丸の行き先にいた人の悲鳴を聞いて咆哮し錯乱した。
何も見たくなかった。何も感じたくなかった。そこに私はいないんだと騙した。そして私は沈黙した、らしい。
目が覚めてぼんやりとした後心底ホッとした。助かったんだって。でもそれは違っていて、むしろその真逆、正反対の日常の始まりだった。いや、あの頃は非日常か。
起きて早々に銃声と悲鳴を聞いた。どこからともなく、でも確実に聞こえてくる二つの音に私の身体は震え上がった。いつになったら解放されるのか、平和ボケした脳みそはそんなことを悠長に考えていた。
そしたらどうなったか、強持ての如何にもな軍人に殴られた。その時英語で何やら言われていたけど理解できなかった。どうせ日本語にしたところで汚い意味だろう。軍人ってのはそういう人種だ。
その次はさも当たり前のように薄汚れた拳銃を投げ渡された。所謂ハンドガンって奴でそれが所持するのを認められない日本ではちょっとばかり不思議に見えるものだ。
その時も英語で何やら喚いていたが英語を習っていたところであれだけ大声で叫ばれたら聞き取れやしないから結果的には同じだったと思う。
何の気はなしに銃を手に取った。思った以上にずしっと重くてバカみたいに筋トレなんかに使えそうなんて考えてたらその軍人にいきなり右腕を掴まれて力任せに引っ張られた。こっちが立とうとするの補助する、なんて優しいものじゃなくて罪人を連行させるようなそんな感じだったかな。
それまですぐ隣は平和しかなかったおめでたい国に住んでた私は怒る気概なんて湧くはずもなくただ怯えながら強引に連れて行かれた。
行き着いた先にあったのは、何にもない場所だった。そこで途端にゴミでも投げるように解放されてまた銃を投げられた。頭の中パニック状態、どうするのかわからなくてただおろおろした。
そしたらまたあの軍人さんがわけわからんことを英語で言うんだけどさっぱりわからないからもっとパニックになってここで一回目の嘔吐。極度のパニックでも吐けるんだっていう貴重な体験。
それを見て少しは学習したのか今度は身振り手振りのジャスチャーを見せてきた。どうやらこの銃をとりあえず撃ってみろっていうことらしい。
嘔吐物と一緒に恐怖も少しは抜けたのかちょっとだけ冷静になっていた私はそのジェスチャー通りに銃を構えて、撃った。重くて乾いた鈍い発射音。今思えば取り扱いが悪いからあんな音になったんだろう。
身体がビクンってなった。音とか反動とか、周りが静かだった分尚更そう感じ取ったんだろう。
私の銃が出した発射音以外にも遠くのほうから何発も何発もその音は聞こえていた。まるで鉄の鳥が鳴いている不気味な森のようでまた怖くなって、二回目の嘔吐。恐怖からでも吐けるあたり、極まればとりあえず吐けるんじゃないかなと今では冗談めかして言えるようにはなったけどさ。
もちろん吐いてはい終わり、じゃなかった。その後も弾が尽きるまで撃たされて尽きたと思ったら代えの弾を渡されてまた撃つ。最初はマガジンの代え方もわからなかったからあたふたしていたら一発殴られた。んで取り上げられて渡されて再開。弾切れ、おたおたする、殴られる、代えられる、渡される、撃つ。
数回同じこと繰り返して、これは私が落ちぶれてるとかじゃなくて極度の恐怖とかからくるもので全然覚えられる状況じゃなかった、ようやく自分でマガジンを代えられるようになった。
最初の日は只管それをして、時にはわけもわからず殴られて終わり。
後一ヶ月もこんなことをやっていた気がするけど全然覚えてない。多分思い出したらトラウマやらで今度こそダメになるんだと思う。
断片的に覚えてるのは銃を撃っていたことと、殴られたり途中から殴っていたり、ああ止血もしてたな。
それくらいしか思い出せない、無理に思い出そうとも思えないけど。
次に思い出せるのは仲間、っていうのかな。とりあえずそうだと思っていた奴に犯されそうになったことか。人間どんなにおかしくなっても性欲ってのは忘れないもんだ。
もちろんその当時は怖かった、今じゃ胸糞悪くなるだけだけど。その私を犯そうとした奴はそれまで一緒に訓練、っていうか人にとっちゃ拷問みたいな訓練を共にしてきた親友が目の前で脳漿をぶちまけて死んだところを間近で見たらしい。どれくらい近いかというとそいつの血と脳みそが自分の顔に飛んできたくらい。
それでそいつはあまりの出来事に言葉を失いつつも人間には失われがちな生存本能でその様になった親友の死体を置き去りにして逃げ帰ってきたらしい。
それで放心状態のところに私を見つけて性欲が理性を振り切った、ということらしい。理解できないしたくもないが人間壊れると何してもおかしくない。
結論から言えば私は犯されてない。それを見つけた別の、便宜上は仲間って言ったほうが楽だな、仲間がそいつを殴り伏せて私を助けてくれた。軍人には似つかわしくないかっこいい野郎だった、と思う。
それでめくるめく恋の始まりだったのですとかそんなことはない。むしろ私は悲鳴をあげたね。私にとっちゃその時男が近寄ってくるだけでそうされると思い込んでいたから。ガクガク震えながら必死に逃げようとして腰が上がらずににっちもさっちもいかなくなって失禁した。
その助けてくれたイケメン軍人はすまなそうな顔、そーりーとか言ってたし謝ってもいた、をしながらそののした男を担いで自分の寝床へと消えていったよ。その後は一回だけご対面した。
体中蜂の巣みたく鉛弾だらけ血だらけのおまけつき。体重何割り増しだっていう話。こうなるとイケメン顔とかも関係なく触れたくない。ってことで吐いたね。
ちなみに敵にやられたんじゃなくてその時たまたま一緒に行動していた私を犯そうとした野郎と一緒にいてそいつが急に暴れだしてアサルトライフルのフルオートでしこたま撃たれたらしい。考えたくもない死に方だ。撃った例の発狂野郎その後ああもうだめだって思われて仲間に頭打たれてはいさよーなら。これでめでたく二人でご臨終したらしい。
ここから辺りかな、私も狂い始めてきたのは。それまで自分が信じていたもの、例えばルールとか秩序とかそういうの全部がここじゃまかり通らない紛い物。私が持っていた道徳心とか常識とかはここで死に始めた。
その合図があのバカ笑いだろうね。久々に腹から笑ったあの笑い。それまで仲間だった奴らがあっけなく二人も死んで一人は仲間に殺されて、その仲間殺しの仲間は何事もなかったかのようにそれを隊長に報告、隊長も何も咎めることもなく死体を回収するでもなく終わり。死体を見たのはたまたまその現場を通ったほうが進行上都合が良かっただけ、その死体にたかる動物をみて笑う奴もいた。
その時に私は私を殺すことを決めたんじゃないかな。そうするしかないというかそうしたほうが楽だろうから。今からまた別の私になればすっごく楽になれる、そう思ったからこそ今の私があるわけだし。
吹っ切れた人間はすごい。超えちゃいけないラインを一歩でも超えたらもう早い。銃を撃つこと、人を殴ること、もっといえば殺すこと、そんな非日常があっという間に日常に変わっていった。
私が銃を撃つことは歯磨きを毎日することと同じくらい当たり前のこと、私が人を殺すことは洗濯をすることと同じくらい普通なことだ。
最近になって知ったことがある。私は最初普通の飛行機に乗っていたらしくてその飛行機が墜落、私以外は全員死んだらしい。それで全員死んでると思って向かわせてみたらあらびっくり、私が生きていたと。
それでよくよく調べたら墜落の原因は整備不良からきたエンジントラブルのようで、それがばれるとまずいとなったわけだ。そこで問題だったのが生存者である私の存在。最初は勿論死人に口なしでいいという意見だったらしいが隊員から慰み物として使うという案が出たらしい。そのとんでも発言がなんと採用され晴れて私は生かされたと、いうわけだ。すぐにでもそうしなかったのはガリガリで最悪のコンディションだったから。ある程度になれば使って飽きたら捨てるって寸法だったんだろう。戦闘の技術を教えたのは気まぐれと女を甚振る快楽とどうせ大して強くならないと思う慢心からくるものだったんじゃないかと思う。当たらずも遠からずだと予想するね。
何にせよ今でもそうしようとしてるんだろうが、無駄に私が強くなったせいかここまでなんの音沙汰もなかった。だがそれも限界まで来ている。奴らの私の目を見る目が異常に鋭く血走ってる奴さえいた。極限の状態からくる理性の崩壊。そう、私にもあったあれだ。さすがに大勢でこられてはどうにもできない。だから。

銃を手に取るのが日常じゃなかったあの頃を思い返したのはこれから始めるショータイムに対しての餞別みたいなもの。人間というのは寝ているときは無抵抗だ。
私を犯したかったのならば奴らもそうするべきだった。だが奴らはさらなる興奮を求めてあえて私に悲鳴をあげさせ、嬲り、責めようとしている。きっとこれ以降は奴らの理性もないだろう。明日の朝をこのまま迎えたら間違いなく私はそうなる。だからこそだ。
日常になった動作を、お気に入りのマグカップのように使い慣れた銃を夜中にこっそり持ち出して。年甲斐もなくスパイごっこをしていたあの人を思い出しながら銃に消音機を着ける。
皆が寝ていて、無防備で、無抵抗で、何もしてこないのに。
私はこんなに準備できていて、為すための道具も持っていて、何かをする。
それを思うと。
ドキドキと。
ワクワクが。
入り乱れた感情が心地よく私を満たしていった。
ああ、ありがとうあの日の軍人よ。
私に銃をもたせてくれて。
ああ、ありがとう私を犯そうとした糞野郎。
私のルールを壊してくれて。
ああ、ありがとう私を助けてくれたイケメン野郎。
私にその死体でもって新しい快感を教えてくれて。
さあ行こう、私のちょっとしたドキドキとワクワクがある単なる日常へ。
銃を片手に舞うように、銃を片手に囀るように。
皆を起こしに、眠らせに。
2010.11.12 Fri l 自作小説 l COM(0) l top ▲

コメント

コメントの投稿












       
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。