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その始まりは終わりの合図。
舞台の少女は、それでも笑顔で歌い踊る。
楽しくとも楽しくとも。
悲しくとも悲しくとも。
最初の最後でも。
アイドル、水瀬伊織として。

最後のライブをやるとプロデューサーに聞かされてから私はそれに向けて全力でレッスンをしていた。柄にもなく足腰がガクガクになるまでダンスをして、喉が嗄れるほどに歌を歌い、自分でも自分を見失いかけるくらい表現力を磨いた。当然いつまでも身体を酷使し続けていればライブは散々な終わりを迎えるだろうから休めるときは休んだ。休むのだって全力で休んだ。ただ休まなきゃだめ、と千早に注意されてから休むようになったのはそれまで私自身そこまで必死なことに気づけなかったということもある。でも仕方ない。今回のライブは私にとっては最初の小さなライブハウスでのライブよりも、初めての番組出演よりも重要なものだから。
場所はドーム。もう一つの選択に武道館もあったが私もプロデューサーも眼中になく今の自分達で出来うる限りをしたかった。さっさと場所や衣装、曲を決定してあとの細かい設定は全てプロデューサーにまかせて私はすぐにレッスンへと移った。最後だと言うのにこの一週間はろくに話しもせずだったがそれまで感じていた会いたいとか触れていたいとかはなく、ただ只管このライブをこれまでの活動の中で一番良いものにしようと、その一点だけで突っ走っていた。ライブは明日。明日が始まり、そうして終わる。考えて、だがやはりただ成功させることだけしか頭に浮かばなかった。と、携帯のメール音が聞こえる。プロデューサーから教えてもらったアニメソングでその当時プロデューサーもその音に設定していたから私も同じものにしただけの、ままの恋する少女のような行動だな、と少しだけ微笑ましかった。

from.プロデューサー

Subject.無題

まだレッスン中ならもうやめるように。それ以上するんだったら、お母さん許しませんよ!あと明日のちょっとした細々したことを話したいんだがメールでまとめて送るか、それとも今から直接会って話すか、どっちがいい?俺としては久々に会って話しておきたいんだが、いかがかな?

Ps.いおりんのMAマジ最高!

最後の一行は絶対に書きたかっただけだ、とも言い切れずメールを打っている時に私のMAのCDを聞きながら書いているのかもしれない。プロデューサーとはそういう人で、長らく会ってなかった私にはそれがたまらなく笑えて愛しかった。
メールを一読した私はさっさと練習用のジャージを脱いでインナーもそのままに着替え始めてあっという間にコートを羽織った。桜色のマフラーを巻くとまだ暑かったがここで風邪を引くわけにもいかず仕方なくその格好で外に出る。レンジでチンされたように火照る私を冷凍保存するかのごとき冷気を纏った冬の風が染み入る。私は冷たい風をかき分ける気持ちでゆっくり歩き出す。

「伊織ー!俺だー!踏んでくれー!」

「お望みどおりにハイキック!」

「我々の業界ではご褒美です!」

そしてこのやりとりである。久々に会う緊張を和らげるには十分だった。

「久々に会って早々蹴らせるんじゃないわよこの馬鹿」

「すまんすまん、そろそろかと思っていきなり叫びだしといたら本当に来るもんだから」

「まるで私がいけないみたいじゃない?わざわざノってあげたのに」

「まあ、間が悪かったということで一つ」

「たく、最後だって言うのにいつも通りなのね」

「伊織だって十分いつも通りじゃないか」

「あんたがそうじゃなかったらきっと今頃悲劇のヒロインでも気取っているわ」

「…ありだな」

「なら悲劇のヒーローになってくれるかしら?」

「そいつは遠慮しておくよ。ヒーローって柄でもないし」

「確かにね。どっちかっていうと雑魚ボスが出してくる更に雑魚の手下とか似合いそう」

「サンタさん、伊織が優しくなる薬をプレゼントしてください」

「さて、冗談はこれくらいにしてそろそろ明日の話を聞きたいんだけど」

「ああ、了解だ」

軽快に冗談の応酬を繰り広げてもいざ仕事となるとどうにもかっこよく見えるから始末が悪い。この男に才能を預けた奴をぶん殴りたい反面、褒め称えてあげたくもあったが。細々とした明日のライブ内容もわかりやすくまとめられていてすぐに頭の中でイメージが出来てこれならば明日戸惑うことはなさそうだ。無論、伝えられなくてもさほど影響はでないだろうが最後の最後くらいは聞いておくのもいいだろう。

「と、ざっとこんなもんだな。何か疑問点は?」

「ないわ」

「優秀な生徒を持ってわしゃ嬉しいよ」

「反面教師を持つと嫌でも優秀になるものよ?先生」

「サンタさん、伊織が優しくなる薬をプレゼントしてください」

「大事なことでもないから二回も言わないの」

「俺の中では大事なこと第四位くらいには食い込んでくるんだがな」

「ベスト三位に入ってなければ大したことないから安心しなさい」

「それもそうか」

「ああ、質問一ついいかしら?」

「何かな?」

「あんたは明日も客席にいるわけ?」

「んー、それは考えてなかったな」

「最後の最後くらいは、その、舞台裏に居て欲しいって思うんだけど」

「伊織が、デレた…だと…?」

「うっさい、本心を言って何が悪いのよ」

「あはは、確かにな。そもそも俺が裏にいるのってあんまりなかったよな」

「裏で見た記憶は一~二回しかないわね」

「でも伊織がそう言ってくれるのなら今回は裏で見ようかな、それはそれですっごく楽しめそうだし、うんそうしよう」

「最後くらいは一番近くで見てなさい、度肝を抜いてあげるから」

「…最後の最後で一番遠い糞席とか引いたら洒落にならないしな」

「確かに。あんた偶にものすごく奥で騒いでる時があったわね、それでもみんなと張り切ってサイリウム振ってるもんだから見つけられないことはなかったけど」

「その日は恐らく筋肉痛一週間ってところか、頑張り屋な俺可愛い」

「せめて関係者席とかで見ればいいのに、チケットまで先行販売で抽選までしてお金も払ってやってるなんて誰も知らないんでしょうね」

「プロデューサーである前に俺は水瀬伊織のファン第一号だから仕方ないんだ」

「抽選なのにあんたが会場にいなかった試しもないわね、裏で手を回してるとか?」

「愛だな、愛の大きさが俺にチケットを呼び込んでいるとしか考えられない」

「仮にチケット取れなかったらどうしてたのよ?」

「不貞寝、かな?」

「いやプロデューサーとして来なさいよ」

久々に会おうが関係なしに私達はいつも通りに会話を交わした。明日も、明後日も、ずっとこんな形が続くよう信じて疑わない無邪気な二人のように。でも本当はわかっている。これで最後なんだって。私も、プロデューサーもわかってて、日常の如く冗談を言って笑いあう。これまでの連続していた私達の道を崩さぬように、ずっと連続していたとするために。いつか繋がる第二の私達の物語のために二人で永延話していた。
それを妨げたのはプロデューサーの携帯から聞こえてくる着信音だった。それは私の持ち曲「フタリの記憶」で、明日以降もその着信音なのかな、と疑問に思った。そうであって欲しい、でもそうでなくてもいい、実に爽やかな気持ちだった。片腕を上げて悪いと小声で言って話し始めるプロデューサー、会話を聞いているとどうやら明日の最終チェックのことで呼び出されるようだ。プロデューサーだけじゃなくてこのライブに関わる皆が私の舞台を良いものにしようとしていてくれることを実感させてくれて、更に心のボルテージが上がった。話を終えたプロデューサーは携帯を閉めると同時にソファーに掛けていたコートを拾う。

「もう少し話していたいが打ち合わせがあるから、ちょっと行ってくる」

「ええ、気をつけてね」

「しかし嫌な曇天だな」

「傘持って行ったほうがいいんじゃない?」

「いや、大丈夫だろう。雨が降っても濡れるだけだ」

「それを防ぐための傘に謝りなさいよ、あんたの発言でいま世界中の傘があんたを敵視してるわよ」

「傘ってあんまり好きじゃないんだ、自分の見えるはずの視界を遮るだろ?」

「合羽は?」

「ごわごわしてるし、あれだってフード被れば上のほうとか見えにくいじゃないか」

「でも雨に濡れて風邪引いたら洒落にならないわ。私も病弱なあんたにライブ見届けて欲しくないんだけど」

「昔から雨に打たれてるせいか、雨に濡れて返ってきて着替えもしないでタオルで拭くだけ拭いてそのまま寝ても風邪引かないから平気だよ」

「どちらかと言うとあんたの生活のほうが気になってきたわ、ちゃんとしなさいよ」

「ちゃんとはしてるさ、ちょっと人よりドラマチックなだけ。それじゃ行ってくる」

「もう何も言わないけど、絶対風邪なんか引かないでよ。いってらっしゃい」

はいはいと言わんばかりの面持ちでプロデューサーは事務所を後にした。残った私もこれ以上ここにいてもやることがないので直ぐに帰ることにしてして、雨が降り始めた。一応言い分けさせてもらうが私は雨女の類ではない。仕方なく何本か予備に置いてある事務所の傘置き場に目をやって、気づいた。皆が使っているようで、更にそれをまだ戻していないのか、置き場には一本しかなくてプロデューサーがこれを持って行っていたら私は傘もなくここで足止めすることとなっていただろう。だから、持って行かなかった。

「でも言ってたことも本心なんだろうな…」

別に気を使ってるわけでもないそんなプロデューサーの生き方に改めて惚れ直してしまい、ありがたく傘を借りて自分の家へと帰る。車を呼んでもよかったがとてもじゃなく今はそんな無粋なことをする気にはなれなかった。軽く傘をくるりと回しながら鼻歌交じりに散歩するかのごとく帰路を歩いた。
家に帰ってからは予行練習もせずにセットリストを見たり明日の段取りなんかのチェックをしながら身体を休めていた。既にお風呂も歯磨きも済ませてゆっくり眠り明日を迎えるだけという万全な状態だ。正直ここまで用意周到に事を運んだのは初めてで自分でも驚いている。執事の新堂が淹れてくれたヌワラエリヤの紅茶を飲みながら明日を思う。この雨の中ならば開閉式のドームは閉めて行うのが妥当だろうがあまりそれはしたくない。月明かりの下でやるライブと言うのも興味がないわけではないのでこの雨は出来れば止んで欲しい。これを逃してしまえば水瀬伊織としての活動はしばらくなく下手をしたら一生月光のステージを知ることなく終わってしまうかもしれない。出来ればそれは避けたい。しかしいくら水瀬財閥とあろうとも世界の天候までを操るのは出来ないので最早神頼みしかない。信じているわけではないが、祈るくらいで雨が止めばこれほど良いこともない。普段はしないが今日ばかりは少しだけ神に祈りを添えて目を閉じながら紅茶を啜る、勿論音などは立てない。あのプロデューサーは茶は音を立てて啜るし炭酸を飲むときは喉を鳴らしてごくごく飲み干す、あまつさえ最後にぷはーなんて言い出したりする。ありえないほどに無作法なそれはいっそ気持ちがよく、いつからかそれすらも好きになっていた。思い返してみればプロデューサーをいつ好きになったか、覚えていない。気づいたら目で追っていたし、心の中ではいつもあの姿があった。脳内でも姿がちらつき始め今では考えないことがないくらいに好きになっている。でも嫌いなところだってある。
適当なところ、物臭なところ、他のアイドルにも優しいこと、私だけを見てくれないこと。
他にも自分の事を二の次にして仕事したりすることとか、先ほども言ったようにお茶を啜って飲んだりあげだしたら限がないくらいにある。そう思って、そう感じた上で私はプロデューサーのことを好きだと思える。それは幸せなことなのかもしれない。さて、そろそろ寝るとしよう。
これまでやってきたこと、感じたこと、プロデューサーと一緒にいた日々を全てあのドームに充満させる。いやもっともっと、拡散させて叩きつける。ドームが弾けるくらいに。
この好きだと言う気持ちをプロデューサーに気づかせるくらいに明日は暴れてやるんだ。

ライブ当日、にも関わらず雨は止んでくれはしなかった。朝起きた耳に聞こえてくる雨音が私の気持ちを少々げんなりさせたのは言うまでもなく、それでもドームならば誰も濡れずに出来る。だがやはり私の心はパッとしてくれない。やる前からこの調子では、と渇を入れて心を引き締め家を出る準備をする。朝一番の紅茶はニルギリのミルクティーでフレッシュに決めてみた。闘争心をかきたてるよりも落ち着いた状態を維持しつつ常にベストでいたいと、そんな思いを打ち開けたからか新堂の淹れる今日のニルギリは酷く美味しかった。こんなものまで飲んだのだ、成功させなければプロデューサーにも、新堂にも、勿論ファンの皆にも面目が立たない。水瀬伊織は水瀬伊織のこれまでの軌跡を無下にしないためにも、この大一番で失敗するわけにはいかない。身体が、震える。心が竦んでいる?
「冗談」
一人でそう呟いた。これはきっと武者震いだろう。他に意味なんてないのだ、意味なんて、あってはいけない。頭を振って用意した荷物を持って家を出る。もうすぐ終わる水瀬伊織の道を私は行く。

ライブ会場のドームに近づくにつれてそれらしい人たちがちらほら見え、やがてそれは大群として現れた。何千という単位ではない、何万人という数の人たちがそこにいるはずだ。私はそれを確信する。でなければ人が作り出す熱気はこうも熱くはならない。それまでの体感でそれがわかる。外のグッズ販売やちょっとした待ち時間で一緒に来た友人などと話したりしている。車の壁を貫通して聞こえてくる人々の声を、私はこれからこの生身一つで持って受け止めなければならない。だがしかし、望むところだ。車は停車し、私は関係者入り口からドームへと入っていった。万全に準備をしてきたのであろうがやはり大きなライブだ。皆が皆慌しくごたごたと動き回っている。その喧騒は意外と嫌いじゃなかった。これから大きなことを一丸になってやるという証でもあったから。このまま突っ立っていればそのうち誰かが気を使うだろうからさっさと自分の控え室へと向かう。すれ違い様に挨拶をしての繰り返しをしていると水瀬伊織様と書かれた部屋に辿りついた。私は、様付けされるほどまだすごくはない。素直にそう思えるようになったのはいつからだろう。
控え室に入って私は直ぐに荷物を置いて精神を集中させる。これもプロデューサーに教わったことで、今では習慣となっていた。心頭滅却さすれば火もまた涼し、本当はさすればではんくすればなのだがプロデューサー曰くそっちのほうがちょっとかっこいい、とのことで私もこれで覚えてしまっている。些細なところでもプロデューサーとの繋がりを感じる。それももう今日で…。

「おいーっす、ライブ当日に伊織の控え室来るの、久しぶりだな」

本当に、久しぶりだ。プロデューサーが観客席にいないでここに来ること、どれだけぶりになるのだろうか。これが当たり前のことなのに、やけに嬉しく感じてしまう。それと同時に実感もする。本当に、これが久しぶりで、最後なのだと。

「プロデューサーとしてあるまじき発言よね、それ」

「確かにな、だが!それが」

「よくない」

「サンタさん、伊織が超優しくなるプレゼントをください」

「まだ引っ張るの?くどいわよ」

「超がついてるから安心だ」

「私は今でも超優しい筈なんだけどね」

「冬の寒空よりも冷たい視線を浴びせながら言う台詞とは思えないな」

そう言って笑うプロデューサーに釣られて私も口の端をあげて笑った。本番前にここまで穏やかな気持ちでいられるのは、きっとプロデューサーの為せる業なのだろう。勿論、新堂の淹れてくれた紅茶の効果も抜群なのだが、プロデューサーは少し特別なのだ。何気ない日常会話で私は救われる。今までも、これから先もそうであって欲しい。そのためには、やはりここでこける訳にはいかない。穏やかな気持ちと昂ぶる闘争心にも似た思いの表裏一体はこれまで以上に私の心をベストへと導いてくれている。自分でもこれを維持したまま一秒でも早くライブを開始したい。ファンの皆に最高の、一生の中で類を見ない文句のつけようの無い水瀬伊織を見せてあげたい。

「…うん、大丈夫そうだな」

「おかげさまで、ね」

「楽しみにしてる、誰よりも一番」

「楽しませてあげる、誰よりも一番」

お互いに目と目を合わせて伝えたいこと、伝えなきゃいけないことを言って、笑った。

「スタンバイお願いします!」

慌てたように掛けてきたスタッフの声よりも先に私は動いていた。その眼中にもうプロデューサーは映っていない。ただこれからのライブ、私の道を、私とプロデューサーの道を見ていた。

「そんなに焦んないの、でも教えてくれてありがと。さあ行くわよ」

「は、はい!」

若い。年齢の上でなら私のほうが若いのだが、まだこの世界では若々しいスタッフがどうにも微笑ましく思えてたまらなかった。いつかこのスタッフももっと上に行って私の知らない世界を見せてくれるのかもしれない、と柄にも無いことを思いながら私は舞台へと赴く。後ろにはプロデューサーがいて、けれど振り向きはしない。だってもう決めたから。
今日。
このライブが終われば。
私。
水瀬伊織は。
あの人、プロデューサーと。
別れる。
永遠ではない別れを。
悲しく必要な別れを。

またな、伊織。
そう、聞こえた気がする。何度も聴いたあの声で。

いよいよだ。私は軽口哲也の流暢な前座を聞きながら目を閉じていた。やがて人の声がなくなり、ありえない音量が爆ぜはじめる。私の足を、身体を、耳を、鼓膜を、脳を振動させる。それと共鳴させるように私は私で心を震わす。最初は抑えて、端からそんなつもりはない。いきなり全力、持てるだけの全力、最高速度のフルスロットルで、ブレーキも踏まない。すごいと考えさせる前に感じさせる。私なら出来る。私とこの歌なら出来て当然。
目を見開くと同時に床が上がる。それも上がりきり恐らくもう私のシルエットは見えているだろう。最高のオードブル、そこから一気にメインディッシュを見せつける。それが私流。
流れるメロディは何百回と聴いた私の持ち歌。廃れることの無い水瀬伊織としての圧倒的なまでの歌。そう、いつだって始まりは。

「―――基本的には一本気だけど」

この歌詞からだ。この歌なら、この歌だからこそ私はいきなりアクセルをベタ踏みで走り抜けることが出来るのだ。それほど私はこの歌を信頼し、好きでいた。

「時と場合で移り気なの そんな柔軟適応力 うまく生かして綱渡り」

歌と一緒に身体を動かす。私一人だけではステージは広すぎる。でもこの歌ならばこんなステージは面積もことさらないように感じる。それだけの躍動感を歌に、踊りに、全力で乗せる。

「好きな人にはニコニコして そうでもない人もそれなりに
外面良くて内弁慶 世渡りだけは上手」

ああそうだ。昔の私はまさにそうだった。だからこの歌詞に共感してこの歌が気に入った。今だってそうある。けれど決定的に違うと感じるのは、或いは成長で或いは退化。その変化をステップを刻む足に、会場を振るわせる声に上乗せする。

「器用と才能だけで軽くこなせる仕事じゃないの
だから人に見えない努力なんて白鳥並以上!」

当たり前だ。それだけでいいのならこんなに四苦八苦もしなかった。喉を嗄らしてしまうかも知れないほどにボイストレーニングをした、足が動かなくなって肉刺が潰れ痛みでようやく自分の身体の限界を知ったこともあった。何をどう表現すればいいのか迷路に入り込んで寝れない夜もあった。白鳥なんて目じゃないくらいに私は私で足掻いてきた。だからこそ!

「きっと私が一番! でもあなたもソコソコかも
そりゃ私と比べるから ちょっと分 悪いのよ
だってスタートラインが もう遥か遠くにあって
そう感嘆には抜けない ある意味出来レースなの
八百長ではなく 正々堂々―――もちーっろん!」

一気にサビを歌いきる。もうこの歌でごちゃごちゃ考えながら歌うのはやめだ。らしくもないし、何しろもったいない。まだ一番が終わっただけ、二番と繰り返しのサビは今よりももっと大きく歌って、踊る。自然と、それでいてリラックスした力が私に浸透していく。ああ、ライブはこれだから楽しくて止められない。このまま最後まで、突っ走る!

「この魅力ビームで ハートをロックオン!―――するーの!」

途端に私の歌と踊りと、それまで流れていた『私はアイドル』のメロディと、観客の歓声が一同に止まり、数秒後には爆音となって歓声がまたあがった。ビリビリと肌を刺すようなファンの歓声を生身で受けるのはそれ相応の覚悟と気合が必要だ。でも今の私にはそれが十二分にある。爆音の歓声を更に飲み込むくらいに私は挨拶をした。

「はい、皆ー!天下無敵のアイドル、水瀬伊織でーす!」

たった一言にファンは既にクライマックスの如く熱量で大歓声をあげる。勿論、私は最初から気を抜くつもりはないし、その私の歌を聴いたここにいる観客も知らずのうちにボルテージは振り切っているはずだ。私は自信を持ってそう言える。だからこその観客の笑顔、これが答えである。

「今更事項紹介なんてする必要ないとは思うけど、優しい私は一応確認しといてあげる!私、水瀬伊織はー?」

―――カワイイー!

「世界で一番ー?」

―――キューティクル!

「よろしい!皆ありがとうー!」

いつからかこの掛け声がライブ始めの定番となっていた。そしてこれを言い出したのは他でもないプロデューサーその人であるから笑える。確かあの時の私は、まだまだ若くて初めての大きな舞台に動揺し何を言っていいかわからず何故か急に私、水瀬伊織は、とまで言って頭が真っ白になって固まってしまったとき、観客席からカワイイ!と言葉が返ってきたんだ。それを言ったのがプロデューサー。それでも落ち着けない私はまたもや何故か世界で一番ー?などと口走ってしまったがそれにもプロデューサーはキューティクル!と答えてくれた。それがファンの間で広まり、今に至る、ということだ。さて、昔を懐かしむのは後で出来る、今出来ることをしなければ。

「本当はゆっくりじっくり私の可愛さの説明をしてあげたいけど、それは歌ですることにするわ!それじゃ次、歌います!」

また会場は騒ぎ出す。本当にドームははちきれんばかりに、それがこの上なく嬉しくて最初のキーを外しそうになったくらいだ。

ここまで、一時間で計四曲。最初の「私はアイドル」を筆頭に『GO MY WAY!!』や『i』、『Here we go!!』を歌った。かなり体力は消耗しているがまだ動けない限界にはほど遠い、軽やかなステップも澄み渡る声も出る。切り替えし地点まで全力できたが余裕はある。さすが私、上等だ。

「それじゃ次の曲!『思い出をありがとう』!」

間髪いれずに次へと行く。若干押し気味なので歌の説明を簡単にして時間を短縮させている。これでクライマックスを迎えられなければ本末転倒だが、無論ここでこけてもいけない。そしてこの歌は誰よりもプロデューサーに届けたい曲だ。

「こんなにもつらい気持ち初めて感じちゃった
映画やドラマみたいなキレイゴトと違う」

この歌の歌詞はあの日のことを彷彿とさせる。それまでの私の思いや感情を見透かされていて、そのまま歌詞に書き起こしたような錯覚さえ覚えた。だからこそ感情移入して歌える。

「ホントにバカな私 後悔先に立たず
時間が戻せるなら少しはマシになれる?」

確かにそう思うことはない、と言えば嘘になる。この数年間怖がらず踏み込んでいればあるいは、マシだったのかもしれない。歌詞の通りバカで、後悔先に立たず。そのまま思っている本心を歌へトレースする。

「広い世界で一人あなたが好きでよかった
そ・れ・だ・け」

本当に、それだけ。

「思い出をありがとう 勇気までもらえた 悲しみや切なさ 今日ですべてサヨウナラ
街を行く人たち 生き方もイロイロ クヨクヨとするのはカッコ悪い見本かもね」

トレースさせた感情がメロディの波に乗って観客を包み込む。それだけのものを歌えていると感じた。それと同時に自分がどれだけ自分の気持ちを溜め込んでいたのかもわかった。それまで行き場の無かった私のこの気持ちはあっという間にドームを満たしてしまったのだから。

「前向きに図太く行こう!…なんてゲンキンかな?」

終わり、木霊する数万人の叫び声。未だに衰えをしない声の大群は私の気力を振り絞るに十分なものだった。疲れを訴え始めるであろう身体にあることかまだ鞭を入れ、止まることなく連続で歌う。『フタリの記憶』、『リゾラ』、『メリー』と短いトークを交えながら歌いこなした。ここまでくるとさすがに疲労は蓄積されて最初のように身体は思うように動いてはくれない。それでも何度目かもわからない鞭を打ち、終わりへと向かうライブを、一瞬の油断無く進める。

「さてさて、ここでとーっても残念なお知らせでーす。なんと、次の曲が、ラ・ス・ト!最後になりましたー!」

ええー!

これもどこへ行っても定番のようなものだろう。私には本当に残念がってるようには聞こえないが中にはそう思ってくれている人もいるだろう。そんな人たちのためにも最後まで全力でこのステージを全うしなければならない。オーバフローのように身体からは汗がだらだら流れて脳は休めと救難信号を体中に伝達している。けれどその信号は私の心にまでは到達しない、だから結局その信号は無意味だ。いくら脳が信号を伝達しても、それを受け取って身体が疲れたと思っても、心がそう感じないのならば人は動けるのだ。その後の反動は覚悟しておかなければならないが、それくらいの覚悟はライブをすると決まった日から出来ていた。

「そして、もっと残念なことに…次の曲を歌って、このライブが終われば水瀬伊織は水瀬伊織としてのアイドル活動を引退しなくてはなりません!」

えええええええええーーー!!

先ほどのものよりも感情的で、そこらかしこから止めないでー!とかもっと歌ってー!とか声が聞こえてくる。私にとってそれは励ましにもなり、感慨深いものでもあった。本当にこのライブが終わってしまったら、終わってしまうんだ。一時的にでも、私とプロデューサーの道は終わるんだ。挫けそうになる心に、折れそうになった膝に、熱くなった目頭に渇を入れて私は喋る。

「それでもまた近いうちに私はアイドルとして復帰するわ!だから私が帰還するまでおとなしくいい子で待っていること!わかった?」

ウィンク一つ、おまけにしてやると。

おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!

という最早怒号に違い歓声が爆ぜた。男というのは、ファンというのはどうしてこう、こんなに素直なんだろうか。本当に、終わらせたくなくなってしまうじゃないか。でも終わらせなければならない。私にはその義務があり、またこの終わりと同時に、次の物語を始める責任がある。そしてその先へ行く意志がある。だからここで足踏みをするわけにはいかない。

―――だから今一番重要なのはその一歩を踏み出すことなんだ。

あの日プロデューサーは真剣な目をして、そう言った。
…そうだ。私は足踏みしている暇なんて無い。だから私は自分の足を、一歩前に踏み出した。

「それじゃラストソング!耳かっぽじって聞きなさい!…『my song』!」

どうしてこの曲を最後に持ってきたのか、最初は不思議に思った。でも今ならわかる。この曲はこの会場にいるすべての人へと送る歌だ。プロデューサーやスタッフの皆、ファンの皆、そして。
私へ。

「始まってゆく 果てなく続くひとつの道を
駆け出してゆく まっさらな名もない希望を抱いて」

何も知らなかった私は大よそ素晴らしいスタートとは言えない、見苦しいちっぽけな始まりだった。自分は水瀬伊織だからすごいんだと皆を見返してやりたくて、父親のコネで無理やりにでもアイドルになったのだからこれほど惨めなものは無いだろう。しかし、この時は何の疑いもせずにすぐに頂点になって見返してやるためのただの土台だとしか考えていなかった。

「どんな行き先でも 喜びと悲しみは廻る
辛くても進んでゆけるのは 大切な夢があるから」

アイドル活動はそんな生易しいものじゃなくて、中々うまくいかなかった。それまで行き先は決まっていたはずなのに一時期はそれすら見失っていた。それを、そんな私を救い出してくれたのがプロデューサーだった。プロデューサーと二人で活動をしていく中で行き先を思い出しいつしか夢へと変わり、例え進む道が辛くともプロデューサーと二人でその夢へと少しずつ少しずつ進んでいった。

「Start このMy Life Song 私の歌声で どこまでも響け
Feel 感じるまま 好きなメロディーでいい それを心と呼ぼう
Stay この My Love Song エールくれる人よ 愛を込め贈ろう
Shine 輝いて ねぇ幸せあれ いま明日が生まれる」

この歌詞が、このメロディが、この歌が、この会場のすべての人に届くように満身をこめて歌う。そうして一番を歌いきった直後、ドームが開く。まだ雨は振っていて、冷たい雨粒が空から降ってくる。突然の出来事に私は横を見やる。そこには、所謂どや顔のプロデューサーがこれまたどうだと言わんばかりに親指を立ててこっちに向けている。察するにドームが開いたのはプロデューサーの仕業だろう。これじゃ観客が濡れてしまうじゃないか、私が濡れてしまうじゃないか。でも良かった。この雨は、私の涙を隠してくれるから。最後まで泣かないと決めていた私だけれどやはり心の自制が効かずにもう限界だった。突然の出来事に観客もざわつき始める。やがて曲も止まった。普通ならばパニック状態になるだろう。でも今の私には頼れるプロデューサーがすぐ側にいる。そのプロデューサーが意図することを汲み取れて、だからこんなにも今は晴れやかな気持ちなんだろう。いよいよ会場のざわつきも暴動に変わるかもしれない中で私は言葉を紡ぎだす。

通り過ぎてく いろんな景色胸に刻もう
振り返ってく どんな足跡が続いているだろう

アカペラ。雨の音と私の声だけのあまりにも儚い歌。少しのミスも全てを台無しにしかねない私だけの歌声。だからこそ、ありったけの私をそこに込める。でなければここで、終わってしまう。出来るとか出来ないじゃない。
やるんだ!

風が舞い上がれば 優しさと厳しさを運ぶ
それはほら心の傍にいる 大切なあなたのようだね

メロディばかりに頼っていた私は間がわからなくなる。それでもがむしゃらに言葉を紡ぐ。

Stand この My Live Song 私の歌詞(ことば)から いつまでも届け
Wish 願うまま 自由なコールでいい それを絆と呼ぼう
Stage この My Light Song 分かち合う仲間よ 感謝を忘れない
Rise 登りだす 太陽の様に さぁ今日を照らして

喜びだって 悲しみだって いつかは思い出になるから
未知なる道へ 常(とわ)なき永遠(とわ)へ
新しい私になる

まだ…!あと少し、しっかりしなさい!水瀬伊織!

―――Start このMy Life Song 私の歌声で どこまでも響け
Feel 感じるまま 好きなメロディーでいい それを心と呼ぼう
Stay この My Love Song エールくれる人よ 愛を込め贈ろう
Shine 輝いて ねぇ幸せあれ いま明日が生まれる

終わらない My Song…

気づけば私を月明かりが照らしていた。月光のスポットライトに照らされて私は歌いきった。これを完全燃焼として何と言うのかわからないくらいに、歌いきった。会場は静まり返っている。でも私にはわかる。これが、感動しつくした静けさだということが。

パチパチパチ…

拍手の音は私の直ぐ横から聞こえた。それで漸く自分を取り戻したかのように拍手が音を重ねていく。一つ一つは小さくも数万人の拍手は瞬く間に一つの大群となってドームの外へとも抜けていってしまう膨大な音の波となって私をさらった。
ああ、やりきったのだ。私、水瀬伊織は最初から最後までを全力でこのライブを、やり遂げることが出来たのだ。でも、私ばかりがやられっぱなしは癇に障る。少しだけ反撃だ。

「どうもご静聴、ありがとう。皆の拍手とっても嬉しかったわ。でも」

ちらりと舞台袖にいるプロデューサーを見るとその顔がやばいという顔にすばやく変わっていくのを見た。

「急にドームなんか開けたバカのせいで私もファンの皆もびしょびしょ、これは一言くらい言わないと納得いかないわよね」

どよめき始める会場もさすがは私のファンなのか、私がその本人をここの舞台に出したいと思っていることを読み取りすぐにそうだそうだ!とか言い始める。うーん、意外と春香のファンにも負けないくらいの統率力が、いやあそこは別格よね。

「ということだから、出てきなさい。この馬鹿プロデューサー」

舞台袖で頭を掻いているプロデューサーも観念したのか、こそこそと舞台の上に姿を現した。酷く頼りないその背中がことさらひどく面白かった。

「あーその、勝手に開けてびしょびしょにさせてすいませんでした、それじゃ」

「謝罪の意志が薄弱、薄い、そして聞こえなーい!」

そうだぞこの変態!変態!変態!変態!

会場は何故か濡れたことへの非難よりも変態コール一色だった。

「例え変態だとしても、変態と言う名の紳士なの!」

プロデューサーがそう叫ぶと会場全体が笑った。勿論私も、スタッフも笑っているんじゃないだろうか。いや、スタッフは内心冷や冷やしてる人のほうが多そうだ。それとプロデューサーが意外と有名人であるのも初めて知った。まさか変態コールをされるほどに皆に認知されているとは思いもしなかった。

「開けたことは悪かった、でも多分皆さんいいものを聴けたと今は満足していると思います。だって私がそうですから。今、私は心の底から伊織のプロデューサーで一番近くでこの歌を聴けたことを嬉しく思っています。しかし一つだけ誤算がありました」

誤算、とは何のことだろうか?私はミスをしていないと思うが、何かやらかしていたりするのだろうか。…唾を飲み込む。

「正直、ここまでのものを歌うとは思っていませんでした。ですが蓋を開けてみれば私もスタッフも、そしてファンの皆さんも誰もが誰も濡れることも、何もかも忘れて伊織の歌に聴き入っていました。これは嬉しい誤算です。その誤算は何だったのか、今からでは少し拍子抜けですが伊織に見せてあげてください。簡単です、お配りした傘を僕が合図したらただ伊織に向かって差してください」

そうして私でも知らなかったことを言って、プロデューサーはじっと待つ。ファンの人もごそごそと動き出し皆一斉に傘を取り出す。

「用意はいいでしょうか?…それでは、せーので差してください。…せーの!」

ばっと開かれた数万本の傘、それは個々で見れば何てことはない傘。でも私にはそれが。

いってらっしゃい

そう、見えたのだ。ピンク色で、そう。
呆然とすることしか出来ず、立ち尽くすことしか出来なかった。

「皆さん少しだけ顔を覗かせて、ステージのスクリーンを見てください」

そう言われて顔を上げたファン達からはおおー!という声が溢れた。そして。

いいぞ変態!変態!変態!変態!

結局変態コールだった。

「かっこよくきめたんだから変態コールしなくてもいいだろ!君ら実は変態と言いたいだけと違わないか!」

またも会場はドッと笑う。でも、私は笑えなかった。まだ呆然とすることしか出来なかった。そんな私の方にポンッと軽くプロデューサーの手が触れて。

「いってらっしゃい」

そう聞こえた。それをきっかけに会場の至るところからいってらっしゃいという言葉が絶えることなく聞こえてきた。それでようやく私は、涙を流した。雨で隠した涙とは別の涙。
嬉し涙だ。誰も彼もが私の新しい始まりを祝福してくれる、この終わりを終わりだと思わずにいてくれる。それがたまらなく、嬉しかった。
また再認した。私は呆れるくらいに、だめになるくらいに、嫌になるくらいに、鬱になるくらいに、反吐がでるくらいに、どうすることも出来ないくらいに。
この人を愛していると。
それはきっとこれからも変わらない。これが、終わらない私の My Songなのかもしれない。

「さて、皆。確かにセットリスト的にはこれで終わりだ。だけどまだ俺達には曲を聴ける魔法の言葉があるだろう?」

プロデューサーのその言葉で、いってらっしゃいコールの渦だった観客席は瞬く間に言葉を変えた。

アンコール!アンコール!アンコール!アンコール!

それは水瀬伊織として、今だけの本当に最後の歌。終わりと始まりを告げる歌になる。でもそこに後悔も未練もない。あれだけ背中を押してくれた人たちの前で無様な姿なんて見せられるはずもない。確かにプロデューサーが私のプロデューサーじゃなくなるのは辛い。でも大丈夫。だって私達は終わらない、約束があるから。いつかプロデューサーとこのライブよりももっと先へ、このファン達ともっともっと素晴らしいライブをするんだ。だから耐えられる。
水瀬伊織だから耐えられる。
女だから耐えられる。
ならアンコールの歌はもう決まった。…そらみたことか、掛かった曲はやっぱりこれだ。そう、こうじゃなきゃ始まらない。こうでなくては面白くない。

「いよーっし!それじゃアンコールにお答えして、特別サービスにもう一曲!まだまだ盛り上がっていくわよー!」

おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!

「あんたは特別にそこで見せてあげる!末代まで感謝しなさいよね!」

「ああ、そうさせてもらうよ」

私は言った。誰よりも、プロデューサーを楽しませると。ならそこで見ていて欲しい。私の終わりも始まりも、全てをひっくるめた歌と踊りを私の傍らで見ていて欲しい。月明かりはいつの間にかドーム全体を照らしている。これならばステージ全部で暴れられる。

「それじゃ最後の最後の私の歌を、聴きなさーい!」

誰もが分かっているであろう曲名を私は高らかに叫ぶ。

『THE IDOLM@STER!』
2010.12.24 Fri l 自作小説 l COM(2) l top ▲

コメント

読みましたよ!
合作の手付け金代わりに感想投下です。
といっても合作自身は年明けまで少し待ってくださいね。(そちらも緑虫さん達との合作の準備があるでしょうし)

軽妙なプロデューサーのキャラクターが立ってましたね。
伊織の内面から描く世界というのが面白かったです。
自分は男なのでそういうことはあんまり考えませんが、そういう視点で見てみるとエンドのエピソードが、また変わったものに映るのが楽しいですね。
しかし釘宮先生のデレ演技は世界中で人気だと考えると、伊織マジ最高はあながち世界の共通認識だと云えるのかも知れませんね!

そうだ、合作前に、自分にSSの原案をくれませんか。流ぬこさんが保留中のネタでもいいので。流ぬこさんが書いた作品の続編を書く、というアレでもいいです。あ、でもなるべく公式に近いのが望ましいです。

では!
2010.12.30 Thu l 月の輪P. URL l 編集
いいですね・・・
拝読させてもらいました。

いや~いいですね・・・。くすりと笑ってしまうような伊織とPの掛け合いが、心温まります。
更に歌を使った演出や、終盤の展開。すばらしかったです。

いい作品を読むと俄然やる気が出てきます。こんなところで言うのもなんですが、合作頑張らせてもらいますよ!
2010.12.25 Sat l 緑虫. URL l 編集

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