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2011/01/20 (Thu) 小鳥独白

私は音無小鳥。今は事務員をやっています。どこにでもいるような事務員で、ずっと事務仕事をするだけで一日が終わります。そんな日常に不満があるわけでもなく、むしろ今しているお仕事はとても楽しいものだと感じています。私の職場には何人ものアイドルの女の子達がいあるんですが、本当に十人十色で皆が良い友達でありライバルで、とってもいい環境の中で彼女達は日々アイドルの頂点を目指してレッスンや営業をこなしてオーディションに備えています。時には泣いたりする彼女達、そんなところを見てしまうと私も心が痛くなります。悔しいから、悲しいから、数多ある感情の中で泣いている彼女達を見ていると救ってあげたくなります。でもそれをするのは私の役目ではなく、彼女達の傍にいるプロデューサーさん達の役目です。励まし、怒り、時には謝り、そうして彼らと彼女達はどんなものにも断ち切れない信頼関係を、絆を構築して行きます。だからこそ彼女達はまた笑って果敢にいろんなことに挑戦していくことが出来るのです。それを見て私は安心します。それと同時に何もしてあげることができない自分を情けなく思うのです。何か一言でも声を掛けてあげられたんじゃないか、私でも励ますことが出来たんじゃないだろうか。でも私は不器用な優しさよりも、器用な立ち回りしか出来ない人間です。後先を考えて今はこうするのが最適だと頭の中で判断したら結局はそれに従ってしまう。その行動が裏目に出たことはないけれど、やっぱり私の胸を苦しめます。
私のプロデューサーだった人もそうでした。後先を考えて行動できる人なのに結局はその現状に納得がいかなくてその場で行動して、後で怒られたり時には手痛いしっぺ返しを喰らっていることもありました。それを繰り返してもあの人は笑ってまた誰かに手を差し伸べていました。
確かにあの人は不器用な生き方で損をしていたと思うけれど、でも一つだけ羨ましかったのは必ず助けたその人から笑顔をもらえていたこと。自己満足といってしまえばそれまでだけど、あの人のは自己満足だけでなく心の底から誰かを思っての行動だと今でも思います。
でも私にはそれが出来ない。何度も何度も傷つくことが前提の不器用な優しさを誰かに振舞うことがどうしても怖くて出来ない。これでいいんだと自分に言い訳を繰り返しながら器用な立ち回りを正当化する、正しいことでもあるんだろうけど更に言い訳がましくする自分が、その自分だけが嫌いです。
今日も元気に代わる代わるプロデューサーとアイドル達が事務所へ来たり仕事へ言ったりと大忙しです。最近ではうちの会社もアイドル達の頑張りのおかげで少しずつ成長中です。当たり前です。だって彼女達の目はきらきらと輝いている。過去の失敗に捕らわれない、未来の不安に押しつぶされない強さを持つ彼女達、それを支えるプロデューサー。誰も疲れたと感じない、感じさせない。今を必死に生きている。レッスンも営業も全てに全力投球、オーディションはきっとそれ以上にやっているんだと思います。
少しだけ羨ましく思います。私がアイドルをしていたとき切磋琢磨できるアイドルが身近にいなかったから。他にいろんなことが重なって、私は疲れたと感じてしまった。一瞬でもそう感じてしまったらそれまで走り続けることが出来た足に力は入らなくなってしまった。あとは逃げ出すことしか出来ませんでした。そうした時、初めて気付きました。自分の帰るべき場所がなかったこと。前しか見ていなかったから、そんなものまで忘れていたことを私はアイドルをやめて初めて知って、泣きました。アイドルをやめたらもう誰も私を暖かく迎えてくれない。その現実があまりにも大きすぎて、寂しすぎて、理不尽すぎて、声が嗄れるまで泣きました。
でもプロデューサーだけは手を差し伸べて、暖かく迎えてくれました。ボロボロになって童のように泣く、何もできないこんな私に「おつかれさま、すまなかった、そしておかえり」と。
そのプロデューサーはもうプロデューサーではないけど今もアイドルの女の子達を見守っています。あの時の私を見ていてくれた瞳で、同じように。今でも不器用に、優しく。
私にはそれが出来ません。だけど、一つだけ。
彼女達アイドルが夢敗れてどうしようもなく疲れて逃げ出して、そこで私と同じように帰るべき場所を見失わないように、この事務所で待っています。プロデューサーが迎えにいけない、そんな時に私は言ってあげます。おかえりなさい、って。
でも今のアイドル達にはまだまだ必要のないことだと思います。だから今は、そうならないよう、でもそうなってしまったときここに帰ってきてもいいんだよと思ってもらえるように私は毎日出かける彼女達や彼らに声を掛けています。

「いってらっしゃい」

と。

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No Title 

 僕がダラダラと書いていることを、簡潔に、しかも心を打つように書いてあって、「やられたな」と思いました。
 小鳥の優しさが染み渡ります。

2011/02/10 08:49 | マサ・ゴルミ [ 編集 ]


無駄に騒いだお詫びに感想投下。 

まごう事なき、コインの表の小鳥さんですな~。
表の小鳥さんは、真っ正直に仕事に取り組み、過去の経験を力に変えているのが清々しいですね(でもオフィシャルだとアイドルだったかまだわからないんですよね)。
そんな小鳥さん、「アイマス2」でバリバリ喋るんですよね~!! ルール説明は全部小鳥ボイスだとか!
SS書きとしては、昔の黒井社長と小鳥の関係も書きたい題材ですよね。

2011/02/10 08:48 | 月の輪P [ 編集 ]


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流ぬこ

Author:流ぬこ
自個偽無、候。
書いたり書いたりしている流ぬこです。
ピクシブなんかでも同じく流ぬこで書いています。
はじめの一歩を見るとオズマ戦でも小橋戦でもどの戦いでも泣けます。はい。

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