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2011/07/22 (Fri) AC4×アイマス

「…行けるか?」

「でなきゃこんなところ、いませんよ」

「そうか。…これよりミッションを開始する」

「了解」

動き出した歯車がどこへ向かうか。わかるのはその行き先が壊滅的だということだけ。
それでも彼女達は舞台に立つ。銃と剣を携えて踊り狂うかのごとく、死んだ世界へ。

震えている。脳も身体も心も全て。この酷い有様のステージで私は最後まで踊りきれるだろうか。踊りきれなければ、それだけだが、生憎おいそれと割り切れるものじゃない。私にはまだやる事が残っている、だからこんなところでステージを降りるわけには到底いかない。

しっかりしろ、秋月律子。

「…子、律子!」

「っ!」

目を開ければ先ほどまでの光景とは違う、まだ誰かがいてもおかしくないビル群が見える。そして私は、落ちている。こんなことまで勘定に入っていただろうか。

「律子ブースト! 早くブーストを使え!」

「…言われなくても!」

声と共にブーストを使用する。途端の浮遊感、宇宙とは違う気がする人為的な自由。それを楽しめた事は一度もない。楽しむ暇すらなかったし、今後楽しむ予定もない。…成る程、人間大事な時ほど下らないことを考えるというのは間違いじゃないらしい。

「よし、そのまま体勢を立て直してミッション開始だ。目標は敵ノーマル部隊の殲滅」

「殲滅、ですね」

殲滅と言うことは、その通りだ。訓練と実戦はやはり違う。やらなければやられる。この場においてそれは法よりも正しい絶対的な命だ。もっとも今の世界に法的規則なんてあってないようなものだが。

「…AIだから安心しろ」

「? ノーマルは普通人が乗っているはずですが」

「最近は自立兵器、AI搭載ノーマル及び対人間搭乗ノーマル全てにおいてノーマル、それ以外をネクストと呼ぶのが主流らしい」

「なら私は後者ですね」

「だな。だから、気にするな」

「気になんかしてません」

「そうか、それじゃ行くぞ」

「…了解っ」

前進する、などと生半可なものではない。時速何百キロで前に引き寄せられる、にも関わらず私を押し潰すかのごとく掛かるG。実戦だからかいつも以上に重く感じる。今はそれどろこではないと言うのに。振り切れ、迷いごと。

「前方に敵を確認、対象ですか?」

「違う、あれはノーマルでもないただの兵器だ。更に奥にいるノーマル部隊だけが対象だ。それ以外は無視で構わない」

「了解です」

ネクスト相手に、戦車、ヘリ、自立兵器。どれも役不足だ。それは訓練でもわかっている。だが。だが。

(明確な、敵対意志。殺意。…こうまで伝わってくるものなのね、人の感情というのは)

全てを貫通して届く攻撃。それは感情。人を救うだけのものがあれば人を殺すだけのものもある。防ぎきれぬ、酷く厄介な攻撃。勿論、素人の私にとってこの攻撃は容易く私の心を振るわせた。また震える。一度は押さえつけた感情。恐怖が私飲み込もうとする。
そして私は止まってしまった。

「おい、そんな敵の真っ只中で止まるな!」

「あ、え…っ!」

揺れる。震えではない振動。確かな揺れ。

「っはー!」

混乱する。私は、どうなる ?ここで、ステージを 死 降りる?このまま降ろさ 殺 れる?誰か、誰か一緒に歌 助け って。

「律子! 右にステップだ!」

「は、はい!」

動く、右に。脳の中のアラート全てを掻き消してくれたノイズ。…違う。私にとってそれは私を導いてくれるメロディ。メロディがあるのなら。

「よし、そのまま直進! 一気に踊りきれ!」

「はいっ!」

迷いがあろうと恐怖があろうと、私は踊れる。
私は歌える。
ブーストも全開でその場を駆け抜ける。橋の向こう側にいるであろう対象に一心不乱に。橋を北上する。両側には無数の敵対するヘリが見えるが無視をする。このまま、このまま終わらせないと次足を止めてしまったらもう私は、踊れ 戦え ない。駆け抜けなきゃいけない。考えるな、感覚を研ぎ澄ませてすぐに終わらせる。そしたら一段落つける。あの人の場所へ帰れる。

「対象補足! 見えるか!」

「一機は見えますが、もう一機が!」

「橋の袂付近にいるのが見えてるならもう一機はそいつの奥にいる!」

「…視認しました。行けます」

「周りの観客は無視して、ターゲットだけに集中して、っておい律子! まずはライフルで手前のノーマルを」

「はあああああああああああっ!」

ロックマーカーが赤くなる。敵との距離も十分、ならこれで。私だって近距離戦なんてしたくないけれど悠長にライフルなんて撃ってられない。機体の左手に装着されたブレードで斬りかかる。当たれば一発。

「あったれぇぇぇええええ!」

懇願めいた叫びと共に私はブレードでノーマルに斬りかかる。
ザンッ。
手ごたえあり、そして聞こえる爆発音。確実に仕留めた、が。

「きゃああああああああああ」

機体が揺れる。先ほどまでの攻撃とは違う装甲を貫通してくるような激しい揺れ。…そうだ、ノーマルはまだ一機残っている。攻撃はそいつから。

「っくぅ!」

攻撃のペースも速い。考えている暇はない、ここで負けてしまっては意味がないのだから。覚悟を決め相手を確認、が姿が見当たらない。どういうことだ、確かに今倒した敵の奥にもう一機がいることは確認したはずなのに。

「そのままクイックブーストで前進!」

「はいっ!」

返事と同時にクイックブーストで前進する、と背後で何かが通る音が聞こえた。間違いなくこれは敵のレーザー攻撃の通過音。ということは。

「そのまま」

「右ですねっ!」

言われる前に右に旋回すればやはり敵がいた。そしてこの間合いなら、届く。もう終わらせる。こんな恐ろしいステージはもうこれで、終わらせる!

「はあああああああああっ!」

ザンッ!
その音とほぼ同時に何かがショートする音が聞こえ、程なくして爆発する。この爆発でさえダメージを受けないネクスト。本当に、どうしてこんなものに私は乗ってあまつさえ戦っているのだろうか。戦い終わって私の胸を支配したのは確かな虚無感だけだった。

「全ての対象の撃破を確認。ミッション完了だ。すぐに離脱しろ」

「…」

「…律子?」

「…大丈夫です。秋月律子、離脱します」

こうして私、秋月律子の傭兵、ネクスト乗りのレイブンとして初任務は終わりを告げた。

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Author:流ぬこ
自個偽無、候。
書いたり書いたりしている流ぬこです。
ピクシブなんかでも同じく流ぬこで書いています。
はじめの一歩を見るとオズマ戦でも小橋戦でもどの戦いでも泣けます。はい。

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