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「最初から結論だけを言え。わかったな」
電話を切ってベッドに捨てる。今日も使えない奴に足を引っ張られる。自分の失敗くらい自分で挽回しろ。社長の私に甘えるな。
これだから困るのだよ、まったく何をもって我が961プロに入ったのか理解も出来ぬ俗物め。
少し優秀な程度で961プロでもちやほやされると思って入ってきた奴。虫唾が走る。自信があるのなら貴様で会社設立すればいい。
私はそうした。使えない上司に意味のない会社、疲弊はしたが金が必要だった。そして十分に準備が整ったとき私は会社をやめた。
あの愚か者達はひどく喜んでいたな。厄介者がいなくなる、そんな顔だった。せいぜい浮かれていられるのそのうちだけだったようだがな。
私の会社は設立から大きく、更に進化を続けている。そこに私が社長だと聞きつけたあの愚かな上司が擦り寄ってきたのだ。
あれだけいばり散らしていたハゲ頭が、低姿勢ながら昔は世話してやったろうなどと抜かす。滑稽だった。
自分の力では生きることさえ覚束ないこの惨めな人間。しかし同情などしてやろうこともなく、貴様等の会社の協力など迷惑なだけだと切り捨てた。
何なら買収してお前等全員解雇させてやろうかなどどちょっとしたジョークを抜かしたら途端に土下座だ。奴程度の土下座に意味などないこともしらず、形だけ取り繕うとするその姿は額縁に飾りタイトルを「愚者」にしたらアート作品としてまた私は一躍有名になっただろう。
だがそんなことをする気さえ起きなかった。警備員を呼び出し、それ以上は何も言わず無理やり返させた。まだ解雇されると思っていたのか愚かな元上司だったものは泣きながらにやめてくれと叫び続けた。大きな声という取り柄にも足らぬ目障りな声。日本が昔のアメリカのように銃社会であったのなら迷わず私は発砲しただろう。殺すほどの価値もないから、足だろうか。
超高級ホテルの最上階から下を見下ろす。それなりの幸せでいい、と言い訳めいた迷い言を抜かす奴等で溢れかえる雑多な街、世界。
それなりの幸せ? なら首を括って死んでしまえばいい。お前達の言う幸せに近い楽を感じられるだろう。生きることにすら文句を言う奴等にはそれが似合いだ。
何故生きているのかの命題にまあいいやとしか思えぬ奴等。漫然と生を実感する人間という種、吐き気がする。他の種を自分達の楽のためだけに絶滅させることが出来る傲慢な屑の集合体。
私は違う。私もまた他の種を犠牲にして生きている、人間だ。だがそれに足るだけの人間である。だからこそ私は頂点を、頂を目指す。
難しい? 出来ぬことなど、この黒井崇男にはありはしない。人間の頂点などくだらないことは言わない。私は世界の種の頂点になろう。そのために私は。

「王者は常に、孤独でなくてはならないのだ」

馴れ合うものなど入らぬ。王者は頂で常に一人。絶望を纏わせ、王座に座る世界最高の孤独者。誰にも頼らず、己が力を誇示しなければ王者などにはなれない。
なに、ライオン程度が百獣の王と呼ばれている。私クラスになれば世界種の王ともなれるだろう。いや、ならなくてはならない。
今まで殺し、食べてきた種のために。踏みにじったくだらぬ有象無象のちっぽけな感情。それでも全てを背負うのが王者だ。
責められるだろう、怨まれるだろう、憎まれるだろう。結構なことだ。盛者必衰などと抜かした昔の愚者もいるようだが、私は衰退などしない。
衰退は油断からくる、安堵からくる。私に油断も安堵もない。独りである私にそんなものは必要でないし、そうする暇もない。
絶対王者。私を言葉で表しれきるわけないが、あえて言うならこれだろう。私は絶対の王者であり、最高の孤独者なのだ。
私は孤独だ。それが私だ。孤独とは王者であり、王者とは私であり、故に私は孤独である。
それに可哀想だとか惨めだとか軟弱な考えはいらない。私は常に孤独である必要があるのだ。それに微塵ほどの後悔もない。
だからこそ叩き潰さねばならない。弱い発想の最高峰、「仲間」「絆」こそが頂点に必要だとぬかすあの男を。
見ていろ高木。貴様が「絆」とやらで戦うのなら私が「孤独」を持ってして粉砕してやろう。

「ふふっ、ふははははははは!」

笑いがこみ上げる。誰もいない広い空間に充満する絶望をありったけ吸い込み、そして笑う。私は孤独だ。それでいい。
だからあの男は私のライバルなどではないのだ。決して、決してだ。
私は孤独者なのだから。
高木順一朗がライバルであるはずなど、ないのだ。
2011.12.03 Sat l 自作小説 l COM(0) l top ▲

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