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2011/12/24 (Sat) 気付かぬ可愛い

菊地真





「うわぁ、あの人可愛いなー。ボクもあんな風になれたらなぁ」
でもボクってあんなに可愛いかなぁ。どっちかというと男っぽいよね。はあ、外に出なかった方が良かったかも。
さっきまでライブをしてたんだけど暴れたりなかったボクは変装をして今街にいるのだ。サングラスに帽子をつければ僕も立派に一般人さ。
あ、あれボクのライブ会場で売ってたやつだ。あの人僕のライブ見に来てくれたんだー。うれしいなぁ。
「いやーやっぱり真はかわいいなぁ。ペロペロしたい! さあーて、年末に向けてもう一頑張りしますか。真、可愛かったなぁ」
「当たり前ですよ。だって真ですから!」
うわあ、可愛いだって。ボクも少しずつだけど可愛いって言われるようになってきてるのかな? うれしいなぁ。
ライブ会場でもかっこいいーに混じって可愛いーって声もあったし。うんうん、ボクはまだまだ可愛さ成長途上なわけだ。
でも何だかしっくりこないんだよなぁ。せっかく可愛いって言わてる機会も増えているのに肝心のボクの心が底から喜んでるわけじゃないんだ。
嬉しいんだけど、何かちょっと違う。足りないものがあるって感じ? それが何なのかボクにもわからないんだけどね。
勿論、最初に可愛いって言われたときは嬉しかった。プロデューサーが可愛いって言ってくれた時、すっごく嬉しかったし。
それからいろんな人の前で歌ったり踊ったりして、少しずつ可愛いって言われるようになって。今では化粧のCMに出れたりもする。メンズじゃないよ?
いやメンズのほうが多かったりするけど、中には「真ちゃんはメンズじゃなくてレディースで使うべきだ!」なんて言ってくれるお偉いさんもいる。
みんなが言ってくれる可愛いって言葉はすっごく嬉しい。飛び上がりたいくらい、でもそれだけ。
そこから先にはいけないんだ。ボクの体を巡っちゃうほどに嬉しい言葉のはずなのに、みんなに言われてもそうはならないんだ。
なったことは一度だけ、あった気がするけどちょっと思い出せない。どうして思い出せないのかもわからないんだけど、なんでだろ?
とにかくみんなが言ってくれる可愛いはボクが求めてるものとちょっと違う気がするんだ。心の底から喜べる、可愛い。それってなんだろう? ちょっと探してみようかな?
まずは服。入ると騒ぎになるかもしれないから外からショーディスプレイを見てみよう。季節は冬だから、ニット帽とか。思い切ってロングコートとかもいいなぁ。
うわあ、あれモコモコしててかわいいなぁ。でもあのマネキン、ボクよりも胸がある気がする……。ちょっとだぼっとするかも。
ニット帽はー、うわっあれピンク一色だ。伊織とかつけてそう。うーん。
プロデューサーならどんなのがいいのかな?
次は装飾品。ピアス、とかはちょっと怖いからプレスレットとかペンダントとかかな? イメージは銀色なんだけど。
げげっ、まだピンク一色のだ。でもあれは純粋に綺麗だなー。つけるかどうかは別としてたけど。その隣にはシルバーがあってゴールドがあって。
うわ、真っ黒なのもあるんだ。黒光りしてるなぁ、メンズなのかな。うーん。
プロデューサーにプレゼントとかしたらどうかな?
次は食べ物。可愛い食べ物なんてないと思うけど一応探してみよう。
あっ、あれボクも知ってる朝のアニメのキャラクターだ。このファーストフードでもらえたりするんだ、あの子可愛いよね。
可愛いというか、やっぱり食べ物だから美味しそうだ。その全体の形とか、全部が上手そうなんだよね。うーん。
プロデューサーは何が食べたいのかな?
……さっきからプロデューサーのことばっかりだ。今はボクの可愛いもの探しの時間なのにこんなときまでボクの心にちらつくなんて。
でもボクは感じていた。心に過ぎる、私が本当に欲しい可愛いという言葉から伝わるもの。
「うあー! もう考えすぎてわけわからないよ! こうなったら走って帰ろう!」
これもボクの癖だ。頭を使いすぎて疲れちゃったら、体を動かしてごます癖。治したい半分、そのままにしたい半分。
可愛いと言われる機会は増えたけど、心の底から喜べないことへの答えは結局出ないままだった。うーん。
プロデューサーに聞いてみようかな。
……それはだめな気がする。だから、聞かないでおこう。
ボクは走る。走る、走る走る、走る走る走る。息が荒くなる。ふと、思い出す。
一度だけ感じたことのある全てが足りた可愛い、それを言ったのは。
プロデューサーだ。プロデューサーが可愛いって言ってくれたとき、ボクは心の底から喜んでいた。最近はなかなか忙しくて普通の話すらできないことも多い。
でも何でプロデューサー限定なのかな? ……うーん。
「やめやめっ! 考えるのは今はとにかく走ろう! おー!」
一人で気合を入れなおして全速力で走り出す。いや、だって、なんかさ。プロデューサーに可愛いって言われてるところ想像したら。
すっごく恥ずかしくなって、顔が真っ赤になりそうだったからさ。
いてもたってもいられなくなったから。

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Author:流ぬこ
自個偽無、候。
書いたり書いたりしている流ぬこです。
ピクシブなんかでも同じく流ぬこで書いています。
はじめの一歩を見るとオズマ戦でも小橋戦でもどの戦いでも泣けます。はい。

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