オリジナルネリア





どうして人は、SSを書くんでしょうか? 自分の物語を書かずに、どうして二次創作に力を入れるんでしょうか?
ある人に聞けば、その作品が好きで好きでたまらない、だから自分でももっとその世界を表現したい、と。
ある人の聞けば、ショートストーリという枠組みの中でまだ精進が足りていない自分を磨きたいから、と。
でも、本質は違うと思うんです。人が、誰かが何かを書くとき、二次創作に手を出す本当の理由。
きっと、既存のキャラクターをそのまま流用できるから。キャラクターの設定をそのままに、後は好きに自分で改変すればいい。
世界観もある程度似せておけばいい。それもそうだ、けれど本当の本当は。
みんなが見てくれるから。
自分の作品じゃ見てくれなかった人たちが、振り向いてくれる、見てくれる、評価してくれるから。
そんな理由が蔓延してしまって、SSを、二次創作を描いている、書いているんじゃないでしょうか?
私は、そう思っていました。
でも違うんです。最初からそうだって訳じゃなかったんです。
最初の最初は、本当の本当に好きだから、いてもたってもいられなくて好きなキャラクターを使ってかきはじめる。
自己満足でも何でもいいからかきたくて、かきたくて、かいた二次創作。そして気づく。
誰でも知っている作品の派生で、あっという間に読みきれるSSという枠組みの中で作られるSSが、誰かの目に留まりやすいってことに。
そして知らぬうちに芽生える感情。それが二次創作しかかかなくなる原因。
もっと見てほしい、もっともっと多くの人に見てもらいたい。
もっと多くの人に、評価されたいってことに。
そしたらもう、ほら、あなたはSSしかかかなくなるでしょう。もしかしたら、その場その場で流行っているアニメの二次創作しかかかなくなっているかもしれません。
悪いとは言いません。誰かに見てほしい、評価してほしいと思うのは誰しも。それがない人なんて、いないと思います。
けど、そればかりに気を取られてほしくないんです。あなたが最初に書いた作品は、きっと荒削りで、独りよがりで、誰のことも考えていないものかもしれません。
でも、そのカタチがあなたにとっての一番表現したかった原型、原風景だと思うんです。
原作でできなかったことで、自分はこんなことがあってほしかった。率直な願望からできあがった、不出来な二次創作。
もちろんそれだけに満足してほしいわけじゃありません。そこから徐々にどう書いたらもっと多くの人に見てもらえるのか、考えることも大切です。
だからって、自分が書きたかったものを自分がバカにしてはいけないんです。
それを忘れてしまったら、あなたはただ自分の欲求を満たすためだけにSSを書くだけの、機械になってしまう気がするんです。
SSを書くなというわけでもなく、二次創作をやるなというわけでもなく。
ただ、一番最初に書いた不出来な自分の始めての作品を書いたとき感じた、ちっぽけな満足感を忘れないでほしいと思うだけです。
それを思い出したら、心のどこかがあったかくなると思うんです。
ああ、そんなことを思ってかいてたな、こんなことしたくて書いたんだなーって。
文字数なんか知らない。文法も良くわからない。誰かが自分を知っているわけでもない。
コメントなんてない。誰かが見てくれているのかもわからない。誰も見ていないのかもしれない。
それをさびしいとは思わないで、まだ自分に気づいてくれる人がこんなにもたくさんいるんだって、こんなにも自分の思いをのせた作品を見てくれる人がいるんだって。
バカみたいなプラス思考で考えてみてください。そしたら、なんだか、もっともっと、いろんな人があなたの考えに触れてくれる。
祝福してくれる、賛同してくれる、共感してくれる。
だからあなたにとってのSSを評価されるたいがためだけの媒体にしないてあげてください。
そんなことをしたら、あなたが大好きなキャラクターたちも泣いてしまうと思いますから……。

「うーむ、我ながらアホみたいなこと書いてマスね?」
「サイネリアー、営業いくぞー!」
「ハーイ! ……でも、これを見てそう思ってくれる人がいたら嬉しいな。反論してくれる人がいたら嬉しいな」
「ん? なに書いてるんだ?」
「んー、『ネトアネリアの最後の書』ってところですかね?」





この作品だって安易にSSで二次創作。けれどね。
サイネリアの物語は回っていくよ。この物語は回っていくよ。あなたの人生も、僕の人生も回っていくよ。
そして、あなたがかいた物語の続きも、ずっと回っていくよ。
だから大切にしよう。自分がかいた物語を。僕たちと同じように、その物語も回っていくのだから。
2012.10.15 Mon l 自作小説 l COM(0) l top ▲

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